(扉)高齢者糖尿病診療と「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」

2022.01.15
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特集■高齢者糖尿病診療 Update
─「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」を読み解く─
Vol.39 No.1(2022年1・2月号)pp.013

2022年1・2月号 目次

駒津光久 Komatsu, Mitsuhisa
信州大学医学部 糖尿病・内分泌代謝内科
成田琢磨 Narita, Takuma
あきた東内科クリニック

■ 高齢者糖尿病診療と「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」

 超高齢社会を迎えた日本において,国民病ともいわれる2型糖尿病患者の約1/3が高齢者糖尿病となっている.したがって専門医・非専門医にかかわらず,すべての内科医にとって質の担保された糖尿病治療を高齢者に不断なく実践することは社会的にも重要である.高齢者糖尿病はさまざまな併存症を有することが多く,また社会的・心理的特殊性を考慮する必要にも迫られる場合が少なくない.老年医学的な基本をふまえて,一人ひとりの患者さんに向き合うことが求められている.一方,糖尿病や併存症に対する治療法も日進月歩であるが,併存症の数だけの専門医が同時に1人の患者に向き合うことは患者像を俯瞰する観点からも,ポリファーマシーや過剰医療を防ぐ観点からも適切ではない.このようななか,日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会は2016年に「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」を策定・公表するとともに,2017年に「高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017」を発行した.さらに「高齢者糖尿病治療ガイド 2018」は,高齢者糖尿病を診療する幅広い医師に役立てていただくために刊行されたが,その後の新しい高齢者糖尿病治療に関する考えかたの変化や,新しい治療薬の登場に合わせて「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」が刊行された.
 本特集では,「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」を実際にご執筆した先生方から,それぞれのテーマのエッセンスと今回の改訂で変更になった点をわかりやすく解説いただいた.老年医学に共通する基本的な考えかたや,高齢者の機能評価の具体的な方法,糖尿病の血糖コントロール目標設定の方針を具体的に解説いただいた.高齢者の食事療法は今回の改訂における重要点のひとつであり,その変更の背景も含めて解説いただいた.また,高齢者ではエビデンスが存在しないことが多い薬物療法については,非高齢者での知見をベースにそれらを高齢者に対してどのように適応すべきかをまとめていただいた.最後に,今回の改訂におけるキーワードのひとつであるmultimorbidityという概念が臓器別診療と診療科横断的診療への架け橋になることを示していただいた.
 本特集を一読のうえ「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」を読み込んでいただければ,より高齢者糖尿病診療への造詣が深まり,ひいては高齢者糖尿病患者の素晴らしい人生への一助になると信じている.

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