SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬の特徴

血液は腎臓で濾過され浄化される。濾過の過程で最初に作られる尿(原尿)には、まだ体に必要なものが含まれており、それらは再び腎臓で吸収され血液中に戻る。血液中のブドウ糖(血糖)も体に必要なもので、高血糖でなければほぼ100%再吸収され、尿糖としては排出されない。
このようなブドウ糖の再吸収を担っているのがSGLT2 で、その働きを妨げる薬がSGLT2 阻害薬である。血液中の過剰なブドウ糖の再吸収を減らし、尿糖として排出することで高血糖を改善する。

SGLT2阻害薬の詳しい解説はこちら


SGLT2阻害薬 一覧表

一般名:イプラグリフロジン

スーグラ錠25mg、50mg

suglat_25

[25mg]

suglat_50

[50mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:アステラス製薬(株)、販売提携:寿製薬(株)

効能・効果
2型糖尿病、1型糖尿病※(※本剤の適用はあらかじめ適切なインスリン治療を十分に行った上で、血糖コントロールが不十分な場合に限ること)
用法・用量
2型糖尿病
通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。

1型糖尿病※
インスリン製剤との併用において、通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg 1 日 1 回まで増量することができる。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡[輸液、インスリン製剤による速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

一般名:ダパグリフロジン

フォシーガ錠5mg、10mg

FXG5mg

[5mg]

000000

[10mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:アストラゼネカ(株)、販売:小野薬品工業(株)

効能・効果
2型糖尿病
1型糖尿病 ※1
慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。※2
慢性腎臓病
ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。※3

※1:本剤の適用はあらかじめ適切なインスリン治療を十分に行った上で、血糖コントロールが不十分な場合に限ること。

※2:「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[添付文書の17.1.3 参照]

※3:eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、投与の必要性を慎重に判断すること。eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。[添付文書の8.2 参照],[添付文書の9.2.1 参照]
添付文書「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること。[添付文書の17.1.4 参照]
用法・用量
2型糖尿病
通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができる。

1型糖尿病
インスリン製剤との併用において、通常、成人にはダパグリフロジンとして 5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に 観察しながら10mg1日1回に増量することができる。

慢性心不全、慢性腎臓病
通常、成人にはダパグリフロジンとして10mgを1日1回経口投与する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

一般名:ルセオグリフロジン

ルセフィ錠2.5mg、5mg

lusefi25

[2.5mg]

lusefi50

[5mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:大正製薬(株)

効能・効果
2型糖尿病
用法・用量
通常、成人にはルセオグリフロジンとして2.5mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら5mg1日1回に増量することができる。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
3.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

ルセフィODフィルム2.5mg

ルセフィODフィルム2.5mg

[2.5mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:大正製薬(株)

効能・効果
2型糖尿病
用法・用量
通常、成人にはルセオグリフロジンとして2.5mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら5mg1日1回に増量することができる。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
3.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

一般名:トホグリフロジン

デベルザ錠20mg

kowa_sglt2i20

[20mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:興和(株)

効能・効果
2型糖尿病
用法・用量
通常、成人にはトホグリフロジンとして20mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

一般名:カナグリフロジン

カナグル錠100mg

tanabe_CANAGLU_100

[100mg]

PMDA/添付文書

製造販売元/田辺三菱製薬(株)、プロモーション提携/第一三共(株)

効能・効果
2型糖尿病
2型糖尿病を合併する慢性腎臓病
ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。※1

※1:eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、新規に投与しないこと。また、本剤投与中にeGFRが30mL/min/1.73m2未満に低下した場合は、投与継続の必要性を慎重に判断すること。[添付文書の8.5 参照],[添付文書の9.2.1 参照]
添付文書「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること。[添付文書の17.1.4 参照],[添付文書の17.1.5 参照]
用法・用量
通常、成人にはカナグリフロジンとして100mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス,糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者〔輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない.〕
3.重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者〔インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない.〕

カナグルOD錠100mg

カナグルOD錠100mg

[100mg]

PMDA/添付文書

製造販売元/田辺三菱製薬(株)、プロモーション提携/第一三共(株)

効能・効果
2型糖尿病
2型糖尿病を合併する慢性腎臓病
ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。※1

※1:eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、新規に投与しないこと。また、本剤投与中にeGFRが30mL/min/1.73m2未満に低下した場合は、投与継続の必要性を慎重に判断すること。[添付文書の8.5 参照],[添付文書の9.2.1 参照]
添付文書「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること。[添付文書の17.1.4 参照],[添付文書の17.1.5 参照]
用法・用量
通常、成人にはカナグリフロジンとして100mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス,糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者〔輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない.〕
3.重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者〔インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない.〕

一般名:エンパグリフロジン

ジャディアンス錠10mg, 25mg

boehringer_Jardiance_10mg

[10mg]

boehringer_Jardiance_25mg

[25mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、販売提携:日本イーライリリー株式会社

効能・効果
<ジャディアンス錠10mg・25mg>
2型糖尿病
<ジャディアンス錠10mg>
慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。※1
慢性腎臓病
ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。※2

※1: 添付文書「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[添付文書の17.1.5、17.1.6参照]

※2:eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、投与の必要性を慎重に判断すること。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。[添付文書の8.2、9.2.4、17.1.7参照]
「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること。[添付文書の17.1.7参照]
用法・用量
2型糖尿病
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。

慢性心不全、慢性腎臓病
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

患者さん指導・説明用動画(糖尿病3分間ラーニング より)

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