2.高齢者糖尿病の総合機能評価 ─高齢者に適した運動療法を含めて

2022.01.15
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特集■高齢者糖尿病診療 Update
─「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」を読み解く─
2.高齢者糖尿病の総合機能評価 ─高齢者に適した運動療法を含めて
Vol.39 No.1(2022年1・2月号)pp.020-025

2022年1・2月号 目次

田村嘉章 Tamura, Yoshiaki
東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科

はじめに

 高齢者糖尿病においては,認知機能障害,フレイル・サルコペニア,転倒・骨折,うつ,低栄養,ポリファーマシーといったさまざまな老年症候群を併発するリスクが高い.一方でこのような病態や社会サポート不足は糖尿病の療養を困難とする要素であり,要介護や死亡のリスクを高める.したがって,高齢糖尿病患者において,これら身体機能,認知機能,心理,栄養状態,薬剤,社会サポートの状況を評価する高齢者総合機能評価(CGA)を行うことはきわめて重要である.
 CGAは今回の高齢者糖尿病治療ガイドの改訂で2倍近く頁数が増えた部分である 1).特にフレイル・サルコペニアの評価が詳述されていること,また新しいCGAの評価法としてDASC-8が取り上げられていることが特徴であり,これらを中心に述べたい.
 また本稿では「高齢者糖尿病治療ガイド 2021(以下ガイド)」6章の,「高齢者糖尿病の運動療法」についてもそのエッセンスを述べる.

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