6.高齢者糖尿病におけるmultimorbidity
2022.01.15
特集■高齢者糖尿病診療 Update
─「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」を読み解く─
6.高齢者糖尿病におけるmultimorbidity
Vol.39 No.1(2022年1・2月号)pp.049-055
─「高齢者糖尿病治療ガイド 2021」を読み解く─
6.高齢者糖尿病におけるmultimorbidity
Vol.39 No.1(2022年1・2月号)pp.049-055

杉本 研 Sugimoto, Ken
川崎医科大学 総合老年医学
はじめに
細小血管症や大血管症以外の合併症,併存症についても,糖尿病の場合には特別な注意を要する場合がある.特に高齢糖尿病患者においては,認知症・フレイル・サルコペニアなどの老年症候群,骨粗鬆症・骨折,心不全,悪性腫瘍,咀嚼・嚥下機能低下,うつなどを併発し,容易に多疾患併存状態(multimorbidity)になりやすいため注意が必要である(図1)1).
本稿ではこれらのうち,フレイル・サルコペニア,骨粗鬆症・骨折,心不全,悪性腫瘍,感染症における注意点,multimorbidityの定義とその対策について簡潔に述べる.
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