(扉)糖尿病と感染症─新型コロナウイルスとともに生きる時代に

2021.01.15
特集■糖尿病と感染症―新型コロナウイルスの時代を生き抜く―
(扉)糖尿病と感染症─新型コロナウイルスとともに生きる時代に
Vol.38 No.1(2021年1・2月号)pp.17

2021年1・2号 目次

森 保道 Mori, Yasumichi
虎の門病院 内分泌代謝科 糖尿病・代謝部門
野田 光彦 Noda, Mitsuhiko
国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科

 糖尿病臨床の領域において,もとより感染症は古典的なテーマであるが,新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るう昨今においては,とりわけ喫緊の課題になっているといえるであろう.2019年の後半に中国に端を発したこの感染症は,まさにパンデミックの様相を呈し,米国ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば,本原稿執筆時点(2020年11月17日)で世界の罹患者数(感染者数)が5,500万人を超えたと報じられている.なお,2020年2月11日に,WHOはこの感染症の正式名称をCOVID-19とすることを発表し,また,国際ウイルス分類委員会は,その原因となる新型ウイルスの名称として,同日,SARS-CoV-2を公表している.
 そのようななかで,今回の企画では,糖尿病と感染症という恒久的に重要な命題を掲げ,いずれも当該分野に造詣の深い先生方に執筆をお願いした.一読してご理解いただけるように,各論文とも,基礎的な概念から予防や治療の具体策に至るまで,広く,かつ掘り下げて考究されている点は刮目に値するであろう.
 まず冒頭においては,長谷川 諒先生と森 信好先生により,免疫機構と高血糖の関係を嚆矢に,糖尿病と感染症との関わりについて具体例を挙げつつ広くオーバービューしていただいた.さらに,山室亮介先生と荒岡秀樹先生に,糖尿病とウイルス感染症について,その広範なスコープを縦横に展開していただき,また,坊内良太郎先生には糖尿病専門医のお立場から,そして萩原真生先生,山岸由佳先生,三鴨廣繁先生には感染症専門医のお立場から,新型コロナウイルス感染症について,それぞれ具体的で有用な最新の情報をご提供いただいている.
 後半では,宮下修行先生,尾形 誠先生,福田直樹先生,矢村明久先生に,高齢者糖尿病患者の感染症対策について,呼吸器感染症をターゲットに手際よくおまとめいただき,小内友紀子先生には,糖尿病と尿路・性器感染症について,SGLT2阻害薬との関係も含めて具体的な対応策を提示していただいている.次いで,富田益臣先生に,糖尿病と軟部組織・骨感染症の全体像と要諦について精力的にご紹介いただき,最後に関谷綾子先生には,糖尿病とHIV感染症の最新の知見を余すところなく俯瞰していただいた.
 本特集の執筆陣は,第一線で活躍される深い専門性を有する方々である.それゆえにこそ,この新型コロナウイルス感染症蔓延の時期に,とりわけ多忙を極めておられるものと拝察するところであるが,その状況下でご執筆いただいたことに深甚の謝意を表するとともに,好個の話題を提供する今回の解説群によって,読者諸賢の本領域への理解が深まり,得られたものを臨床の現場にフィードバックしていただければ,編者としてこのうえない喜びである.

 

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