3. 高齢者糖尿病における感染症対策─市中肺炎,誤嚥性肺炎を中心に

2021.01.15
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特集■糖尿病と感染症―新型コロナウイルスの時代を生き抜く―
3. 高齢者糖尿病における感染症対策─市中肺炎,誤嚥性肺炎を中心に
Vol.38 No.1(2021年1・2月号)pp.46-52

2021年1・2号 目次

宮下 修行 Miyashita, Naoyuki
尾形 誠 Ogata, Makoto
福田 直樹 Fukuda, Naoki
矢村 明久 Yamura, Akihisa
関西医科大学 内科学第一講座 呼吸器感染症・アレルギー科

はじめに

 わが国では人口の高齢化に伴い肺炎による死亡者数が年々増加し,2011 年には死因の第3 位となった.2017 年以降は誤嚥性肺炎が肺炎と区別され別集計されるようになったが,両者をあわせると肺炎は依然死因の第3 位である.肺炎による死亡者の多くは65 歳以上の高齢者であることや,市中肺炎や医療・介護関連肺炎の主な原因微生物は肺炎球菌であること1)から,高齢者に対する肺炎球菌ワクチン接種が推奨されている.さらにインフルエンザシーズンの超過死亡の原因も肺炎であることから,インフルエンザワクチンの接種も推奨されている.今後,高齢者が増加し医療財源が逼迫していくなかで,呼吸器感染症の治療や対策を医療経済的な側面から評価し,予防をはじめとする戦略を考慮することが重要となる.

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