SGLT2阻害薬「ジャディアンス」の電子添付文書が改訂 左室駆出率を問わない成人慢性心不全患者の治療薬として使用可に

2022.05.11
 日本ベーリンガーインゲルハイムおよび日本イーライリリーは4月6日、SGLT2阻害薬「ジャディアンス錠10mg」(一般名:エンパグリフロジン)の日本での電子化された添付文書を改訂したと公表した。

 主な変更点は以下の通り――。

  • 効能又は効果に関連する注意での「左室駆出率の保たれた慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。」などの削除。
  • 「臨床成績」の項に、左室駆出率の保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第3相試験(EMPEROR-Preserved、1245.110試験)の成績を追記。

 これらは、EMPEROR-Preserved試験の結果にもとづき変更された。今回の改訂により、ジャディアンス錠10mgは左室駆出率を問わない成人慢性心不全患者の治療薬として使用できるようになった。*
* ジャディアンス錠10mgの効能・効果は2型糖尿病、慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。

【電子化された添付文書の主な変更点】

改訂前 改訂後
5. 効能又は効果に関連する注意
<2型糖尿病>(略)
<慢性心不全>
5.5 左室駆出率の保たれた慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。
5.6 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.5参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
<2型糖尿病>(略)
<慢性心不全>
左記、5.5の記載を削除、以下に改訂
5.5 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.5、17.1.6参照]
17. 臨床成績
17.1.1~17.1.5(略)
(新設)
17. 臨床成績
17.1.1~17.1.5(略)
17.1.6 左室駆出率が保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験 の項目を追記

ジャディアンス錠10mg 添付文書 インタビューフォーム 患者向医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)

EMPEROR慢性心不全試験について
 EMPEROR(EMPagliflozin outcomE tRial in patients with chrOnic heaRt failure:慢性心不全の患者を対象にしたエンパグリフロジンのアウトカム試験)慢性心不全の臨床試験プログラムは、2型糖尿病合併または非合併の左室駆出率が保持された慢性心不全(HFpEF)患者または左室駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)患者を対象に、エンパグリフロジンの1日1回投与による治療をプラセボと比較検討する以下の2つの第3相無作為化二重盲検試験で構成される。

EMPEROR-Reduced試験 [NCT03057977]
左室駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)の成人患者でのエンパグリフロジンの安全性と有効性を評価
主要評価項目:判定心血管死または判定HHF(心不全による入院)の最初の事象までの時間

EMPEROR-Preserved試験[NCT03057951]
左室駆出率が保持された慢性心不全(HFpEF)の成人患者におけるエンパグリフロジンの安全性と有効性を評価
主要評価項目:判定心血管死または判定HHF(心不全による入院)の最初の事象までの時間

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