痛風合併2型糖尿病へのSGLT2阻害薬投与で痛風関連薬の使用率が低下

2026.02.12
痛風を合併する2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬の新規処方は、DPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬と比較して、尿酸降下薬の新規開始率や痛風発作治療薬の処方率の低下と有意に関連しているとの研究結果が、米国・マサチューセッツ総合病院の研究グループより報告された。研究成果は、2026年1月30日付で「Diabetes Care」オンライン版に掲載された。

 2型糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は、血糖降下作用に加えて血清尿酸値の低下作用や、痛風発作のリスク因子である利尿薬の必要量を減少させる効果が報告されている。そこで研究グループは、SGLT2阻害薬の使用が尿酸降下薬(アロプリノール)の新規開始、痛風発作治療薬(NSAIDs、コルヒチン、高用量ステロイド)の処方を減少させるかどうかを検証した。

 研究は、大規模な人口ベースのデータセットを用いた「ターゲットトライアルエミュレーション」の手法により実施された。痛風と2型糖尿病を有する26,739例(平均年齢66歳)のうち、新たに血糖降下薬(SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬のいずれか)の処方を開始し、ベースライン時点で尿酸降下薬を使用していなかった18,000例以上の患者を解析対象として抽出した。

 傾向スコアを用いて各薬剤群間のベースライン特性(人口統計学的因子、最近の痛風発作回数など)を調整し、無作為化試験を模倣した上で、尿酸降下薬(アロプリノールなど)の新規開始率、痛風発作の発生率、発作治療薬(NSAIDs、コルヒチン、高用量ステロイド)および利尿薬の処方率を比較した。

 解析の結果、SGLT2阻害薬群では、DPP-4阻害薬群と比較して、アロプリノールの新規開始率が38%低下していた(ハザード比 0.62、95%CI 0.52-0.73)。ベースラインで利尿薬を使用していた患者ではこの関連がより強く認められ、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を比較し、血清尿酸値やBMIを考慮した二次データセットによる解析においても一貫して確認された。また、SGLT2阻害薬群は、痛風発作治療薬や利尿薬の処方率低下とも有意に関連しており、処方率比は高用量ステロイド:0.78(95%CI 0.74-0.83)、NSAIDs:0.85(95%CI 0.80-0.92)、コルヒチン:0.87(95%CI 0.83-0.92)、利尿薬:0.87(95%CI 0.85-0.89)であった。

 研究グループは、痛風と2型糖尿病を合併する患者において、SGLT2阻害薬の新規処方は痛風関連薬の使用を減少させる可能性があり、その結果、心腎代謝系の副作用リスクがあるNSAIDsやステロイドへの曝露を減少させる可能性があるとしている。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料