Vol.18 GLP-1受容体作動薬と一緒?何が違う? GIP/GLP-1受容体作動薬 押さえておきたいポイント
2024.10.15
昨年登場した新しいタイプの薬剤「GIP/GLP-1受容体作動薬(一般名:チルゼパチド、製品名:マンジャロⓇ)」。これまでのGLP- 1受容体作動薬とは何が違うのでしょうか。薬の作用や特徴について、基本を押さえておきましょう。
関東労災病院 糖尿病・内分泌内科 前部長
浜野 久美子 先生

インクレチンには2種類ある
GLP-1は、食事を摂るとその栄養素の刺激で小腸から分泌されるホルモンで、血糖依存的に膵臓からのインスリン分泌を促進させます。GLP-1のような働きのホルモンのことを「インクレチン」と呼びますが、実はこのインクレチンにはもう1種類あり、それが「GIP」です。昨年新しく登場した「GIP/GLP-1受容体作動薬」は、GLP-1とGIPの両方の受容体に作用する世界初の薬剤です。