Vol.17 腎症重症化予防にむけて 『CKD診療ガイドライン2023』改訂ポイントを☑
2024.05.15
「糖尿病性腎症」は進行すると末期腎不全、血液透析などとなるため早期からの対応が重要です。今回は、昨年発表された『CKD診療ガイドライン2023』の改訂ポイントをご紹介します。腎症重症化予防にむけ、アップデートをお願いします。
関東労災病院 糖尿病・内分泌内科 前部長
浜野 久美子 先生

診断前も後も、定期的に尿中アルブミンをチェック
糖尿病性腎症の診断において重要なのが、アルブミン尿です。典型的な糖尿病性腎症では、早期の段階で、微量のアルブミン(30〜299mg/gCr)が尿中に出現します。そのためアルブミン尿の検査は欠かせません。
では、診断された後はどうでしょうか?実は、腎症発症後も、尿中アルブミンの経過観察がとても重要です。一つは、早期の時点で適切な治療を行えば、腎症は改善する可能性があるためです。もう一つは、アルブミン尿が腎症の予後のみならず、心筋梗塞などの心血管疾患、さらには死亡のリスクに関わることが昨今わかってきたためです。