SMBGとCGMを活用して上手に血糖を管理する
血糖自己測定(SMBG)と持続グルコース測定(CGM)は、それぞれの特徴を理解し上手に使い分けることで効果的な血糖管理が期待できます。今回、インスリン治療中の患者さんを対象に、SMBGとCGMに関してアンケート調査を行いました。「血糖に対して関心をもってもらうためにもSMBGは重要である」と語る遅野井健院長と道口佐多子副院長(看護師長)に、SMBG、CGMの効果的な活用方法についてお話を伺いました。
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医療法人健清会
那珂記念クリニック
院長
遅野井 健 先生
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医療法人健清会
那珂記念クリニック
副院長・看護師長
道口佐多子 先生
※この記事は「糖尿病リソースガイド」が制作し、株式会社三和化学研究所発行『Precious Voice no.6』に掲載されました。
Q. 那珂記念クリニックにおけるSMBGを活用した診療について教えてください。
(敬称略)
遅野井 当院では、患者さんに「血糖値」への関心を持ってほしいことから、インスリン導入の有無にかかわらず最初にSMBGを導入しています。
糖尿病は自覚症状の少ない病気ですが、血糖値の変化は一つの症状といえます。患者さんには血糖値を測ることで、自分の症状を把握できることを説明します。『血糖値をみる=SMBG』と考えています。これはCGMが登場してからも変わらない考え方です。
SMBGで少し痛い思いをして自分の血糖値を知る、そのハードルを越えることでインスリン導入も容易になります。
HbA1cが9 ~ 10%の血糖管理が悪い患者さんに、初診時に入院やインスリン導入を説明しても、なかなか理解してもらえません。そのようなときは、3つ目の選択肢として、「1週間だけ入院したつもりで、生活習慣の改善にトライしていただき、SMBGで血糖値の変化をみてください」とお伝えします。これを「1週間頑張ろうプログラム」と呼んでいます。
「1週間頑張って血糖値が下がれば、入院もインスリン導入も不要で経口薬だけの治療ができますよ」というと、ほとんどの方が、数値が改善するのが楽しみになり、SMBGの痛みは問題になりません。