第2回 壺井 栄とステロイド糖尿病 ─あなたの瞳は大丈夫?─

2022.03.15
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連載:SPOT 歴史人物の病を量る
第2回 壺井 栄とステロイド糖尿病 ─あなたの瞳は大丈夫?─
Vol.39 No.2(2022年3・4月号)pp.220-221

2022年3・4月号 目次

大川内幸代 Okawauchi, Sachiyo
医療法人豊田会 刈谷豊田東病院 内科

はじめに

 「二十四の瞳」などで知られる小説家・壺井 栄()は1899(明治32)年,香川県小豆島でしょうゆの樽職人の家に10人兄弟姉妹の五女として生まれた.栄が10歳のとき,蔵元が倒産し父が失職したために他家の子守などで家計を助けた.15歳からは郵便局に勤めるが,過労がたたり肋膜炎や脊椎カリエスを患い,生死の境をさまようこともあった.25歳でプロレタリア詩人であった同郷の壺井繁治と結婚して上京.夫やその友人の影響を受け38歳から作家として活動した 1)

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