1.日常の内科外来診療でできること ─フットケアや糖尿病性足病変の集学的治療─

2022.07.10
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特集■糖尿病性足病変:治療の実践を見直す
─歩いて外来に通い続けるために─
1.日常の内科外来診療でできること ─フットケアや糖尿病性足病変の集学的治療─
Vol.39 No.4(2022年7・8月号)pp.382-387

2022年7・8月号 目次

富田益臣 Tomita, Masuomi
下北沢病院 糖尿病センター/足病総合センター

はじめに

 糖尿病診療に関わる医療従事者は,糖尿病性足病変の発症予防や再発予防のゲートキーパーであるべきであり,足病の知識や技術を有する“足病内科医”となることも必要である.なぜなら糖尿病性足病変は,国際的には「神経障害や末梢動脈疾患と関連して糖尿病患者の下肢に生じる感染,潰瘍,足組織の破壊性病変」と定義 1)され,重症化して下肢切断に至る合併症として非常にリスクが高い.糖尿病は内分泌疾患であるが,糖尿病性神経障害などによる筋力低下といった運動器への影響,足部の関節可動域の低下などによる歩行障害をふまえると運動器疾患として捉えることもでき,糖尿病の長期罹患や血糖コントロール状態に大きく影響を受ける.そしてその足に血流障害・神経障害・易感染性が加わり,容易に足病変へとつながっていく.
 本稿では糖尿病患者における足のリスクと足病変の発生,そして日常の内科外来で糖尿病診療に携わる医療者が行うべきフットケアの項目について説明する.

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