第2回 災害時のためにどんな備えをしておけばよいかを尋ねられたら、どう対応する?大規模災害が頻発する日本での備え
2021.08.24
地震、台風、大雨などの大規模災害が頻繁に起こる日本では、いつどこで大きな災害に巻き込まれてもおかしくはありません。こうした災害が起こると、ストレスや生活環境の変化などによって、特に持病のない人であっても健康状態は悪化します。慢性疾患を抱えている人では、なおさらです。
糖尿病患者の場合も、普段は病状をうまくコントロールできている人であっても、災害時には血糖値が急変動して生命を脅かされる事態に陥ることは、珍しいことではありません。そのため、災害時のためにどんな備えが必要か、あるいはどういった支援を受けることができるのかを知っておくことは大切です。
とりわけ、1型糖尿病患者にとってインスリン製剤の不足は生命にかかわります。医療の支援体制が整うまでの間は、手元にある薬や資材を使って自力で対応する必要があるため、日頃からある程度の薬や資材を備蓄しておく必要があります。
みなさんは、患者さんから「災害時のためにどんな備えをしておけばいい?」と聞かれたら、どのように答えていますか?今回は、災害時に向けた備えについて考えていくうえで、押さえておきたい3つのポイントと症例に応じた対応について解説していきたいと思います。