【無料公開】第1回 夏場のインスリン製剤、保管方法を尋ねられたときは?近年の猛暑を踏まえた対応を

  • 児島 悠史 (薬局薬剤師・株式会社sing取締役・Fizz-DI代表)
2021.07.16
next

 2021年も早いもので半年が過ぎ、日に日に暑さも増しております。今回は、そんな暑さ本番となる夏場のインスリン製剤の保管について解説したいと思います。

 インスリン製剤の主体はタンパク質です。そのため、低温になっても高温になっても、変性して立体構造が変化し、薬理作用が弱まってしまう可能性があります。このことから、インスリン製剤は凍結や高温を避けて保管する必要があります。このとき、未使用のインスリン製剤は冷所で保管しますが、使用中のインスリン製剤は室温で保管するのが一般的です。これは、使用中のインスリン製剤を冷所保存していると、注射の際に痛みが強くなる、結露によってダイヤルが故障するなどのトラブルの原因になるからです。

 そんなインスリン製剤ですが、「室温」での保管というのは、日本薬局方で定められた1~30℃の範囲で保管するという意味であって、春夏秋冬の気温変動に任せた部屋の温度で保管していてよい、という意味ではありません。夏場に30℃を大きく超えるような気温になることも珍しくない、近年の季候に合わせた対応をご紹介します。

ポイント①
高温環境下におけるインスリンの安定性

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病診療・療養指導に役立つ会員向けコンテンツ
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
=必須項目
半角英数記号8文字以上
当サイト利用規約

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

SGLT2阻害薬を高齢者でどう使うか 週1回注射のインスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防
糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病性腎症患者に対する療養支援 持続可能な糖尿病運動療法 苦労しています、服薬指導-短時間で患者の心を掴み、リスク回避! 進化する1型糖尿病診療 多職種連携による肥満治療
糖尿病と歯周病の最新エビデンス 甲状腺結節の日常臨床での取り扱い 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術の最新エビデンス- 骨粗鬆症 脂質異常症 コレステロール低下薬 がんと糖尿病
インスリンの種類と使い方 糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント[経口薬] インスリンポンプ・持続血糖測定器 血糖推移をみる際のポイント
糖代謝の調節機構 脂質の代謝 リン酸化によるシグナル伝達 タンパク質とアミノ酸の代謝

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料