第32回 高齢者糖尿病診療の特徴と注意点(6)〈インスリン療法-1〉
2018.10.17
はじめに
近年、高齢者にも副作用をあまり心配すること無く使用できる薬剤が増えてきました。高齢者としてイメージしているのは70歳以上です。確かに、高齢者が長年服用している治療薬でコントロールが良好なら、治療法を変更しない方が良いことを経験します。
まずは服薬および生活状況を確認しなければなりませんが、服用薬剤が次第に増えていくにも関わらず、血糖コントロールが良くならない高齢者が問題です。高齢者は罹病期間が長く、インスリン分泌が遅延型で、インスリン分泌量は減少している症例が多い特徴があります。しかし医療サイドでも、「当然インスリンを使用すべきだが高齢だから」とインスリン導入を敬遠しがちです。今回は高齢者のインスリン療法について考えます。