1. 剖検糖尿病例の集計
わが国では日本病理剖検輯報が1958年以来毎年発行されている。筆者らは学生や看護学生等の御協力によって。毎年発行される輯報から、糖尿病の病名のある症例を拾い上げてそれを所定事項を記入するカードに転記することを行ってきた。この作業は1985年まで継続することができたのは皆様の御協力の賜物と深く感謝している。
日本病理剖検輯報から収集した糖尿病例について、われわれが推定した死因を1つにして集計したものが表1である。実際には死因を1つに絞ることは困難であるが、剖検輯報の限られた記載事項から1つにしたものである。1958より85年までの28年の間には、人口ピラミッドの変化などもあり、それによる影響、医療技術、治療法の進歩なども加味して評価しなければならないわけである。