糖尿病と動脈硬化─高血糖は動脈硬化を促すか?─(2)

  • 後藤 由夫 (東北大学名誉教授、東北厚生年金病院名誉院長)
2015.10.24
prev

2. 糖尿病人口の増加

 糖尿病人口の多寡は診断基準値の変化によって変ってくるが、一般人口の血糖値の変化をみても、年々上昇傾向がみられ、また敗戦直後の食糧難を切り抜けるために行った栄養状態および食餌摂取実態調査の延長にある厚労省の調査でも、糖尿病人口(HbA1c 6.1%以上)が増加している。

 さて、糖尿病の治療も多様化しており、それを理解し適切に対処するのも困難になっている。また高血圧の治療と大きく異なる点は、食事摂取が患者さんに任せられていることである。糖尿病の主病態である高血糖は、僅かの食事の超過でも影響を受けて大きく変動する。患者さんは理屈ではそれ以上を食べてはいけないことはわかっていても、食欲はそれよりも強い。また、そこに生甲斐もあると思うよりないので、収容所生活でなければ理屈通りの治療は困難である。

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病診療・療養指導に役立つ会員向けコンテンツ
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
=必須項目
半角英数記号8文字以上
当サイト利用規約

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~
妊婦の糖代謝異常(妊娠糖尿病を含む)の診断と治療 糖尿病を有する女性の計画妊娠と妊娠・分娩・授乳期の注意点 下垂体機能低下症、橋本病、バセドウ病を有する女性の妊娠・不妊治療
インスリン・GLP-1受容体作動薬配合注 GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド) CGMデータを活用したインスリン治療の最適化 1型糖尿病のインスリン治療 2型糖尿病のインスリン治療 最新インスリン注入デバイス(インスリンポンプなど)
肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬 肥満症患者の心理とスティグマ 肥満2型糖尿病を含めた代謝性疾患 肥満症治療の今後の展開
2型糖尿病の第1選択薬 肥満のある2型糖尿病の経口薬 高齢2型糖尿病の経口薬 心血管疾患のある2型糖尿病の経口薬

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料