米国での研究

  • 後藤 由夫 (東北大学名誉教授、東北厚生年金病院名誉院長)
2014.08.01
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1. 糖毒性の研究

 Lukens教授は高血糖が膵島β細胞の脱顆粒を起こすことを仮説に実験を進めていた。今は糖毒性という言葉が用いられているがまさしくその研究である。実験動物にはネコを使っていた。ネコの1/2膵摘を行い下垂体エキスを2週間位連投するとやがてネコは糖尿病になる。そこにフロリジンを注射すると腎尿細管のグルコースの輸送が抑制されて、グルコースは尿細管から逆吸収されないので腎糸球体で濾過されたグルコースは全部尿に排出され高血糖状態が是正される。この状態を3週間ほどしてから膵の組織像をみると、水腫変性を起こしてβ細胞が硝子化してみえていたのが、また健常時の状態にもどり、β細胞に顆粒が現れる。当時はインスリンの免疫染色のない時代で、ヘマトキシリン・エオジン染色やゴモリ染色でみていた時代である。

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