糖尿病患者における低強度生活活動の意義
2021.01.15
食事調査の過小評価
種々の食事調査は、普段のエネルギー摂取量を平均20~30%も過小評価する。このことは最近広く認識されるようになった。エネルギー必要量(現体重を維持するのに必要なエネルギー摂取量)を評価するのに、食事調査でなく、総エネルギー消費量の測定が用いられるのはこのためである。
糖尿病患者で、精度の高い測定法(二重標識水法)で総エネルギー消費量を評価した成績は少ない。しかし、日本人の成績はこれまでに3件報告されている。それぞれ、首都圏、滋賀県の糖尿病患者、肥満糖尿病患者であり、(海外の成績も含めて)いずれも血糖正常の対照群と総エネルギー消費量に差を認めない。糖尿病患者のエネルギー摂取量の管理には、血糖正常の健常人のデータを用いることができそうである。