J-DOIT3:2型糖尿病患者を対象とした血管合併症抑制のための多因子介入研究 -J-DOIT3の結果と追跡研究への期待-

  • 岩本 安彦 (新百合ヶ丘総合病院 糖尿病センター センター長)
2019.10.15
prev next

J-DOIT3のプロトコールの概要

 J-DOIT3は2型糖尿病の大血管合併症を30%抑制する介入方法の検証を目標に、厚生労働省の戦略研究の一環として行われた臨床研究です。
 大血管症のハイリスクである高血圧または脂質代謝異常のある2型糖尿病患者(45~69歳)2,542例が全国81施設で登録され、 2006年7月に開始されました。対象をHbA1c<6.2%、血圧<120/75mmHg、LDL-C<80mg/dL(冠動脈性心疾患CHDの既往のある場合は<70mg/dL)を治療目標とする強化療法群(n=1,271)と、HbA1c<6.9%、血圧<130/80mmHg、LDL-C<120mg/dL(CHDの既往のある場合は<100mg/dL)を治療目標とする従来治療群(n=1,271)の2群に分け、一次エンドポイント(主要評価項目)が250例に達するまで介入試験が行われました。主要評価項目は死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術、脳動脈血行再建術の5項目とし、具体的な治療法として強化療法群では肥満者はBMI=22を目指し、総カロリー≦25kcal/kgの食事療法、加速度計を貸与した運動療法、さらに血糖測定器と血圧計を貸与した自己測定を行いました。血糖コントロールを目指す薬物治療は、強化療法群ではSTEP1~3までインスリン抵抗性改善薬とインスリン分泌促進薬、またはインスリンを組み合わせる治療が行われ、一方、従来治療群では現行のガイドラインに沿った治療が行われました。

J-DOIT3の2群の登録時の背景の比較

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病診療・療養指導に役立つ会員向けコンテンツ
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
=必須項目
半角英数記号8文字以上
当サイト利用規約

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

尿病関連腎臓病の概念と定義 病態多様性 低栄養とその対策
小児・思春期1型糖尿病 成人期を見据えた診療 看護師からの指導・支援 小児がんサバイバーの内分泌診療 女性の更年期障害とホルモン補充療法 男性更年期障害(LOH症候群)
神経障害 糖尿病性腎症 服薬指導-短時間で患者の心を掴みリスク回避 多職種連携による肥満治療 妊娠糖尿病 運動療法 進化する1型糖尿病診療 糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病患者の足をチーム医療で守る 外国人糖尿病患者診療
インクレチン(GLP-1・GIP/GLP-1)受容体作動薬 SGLT2阻害薬 NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療 骨粗鬆症 脂質異常症 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症
エネルギー設定の仕方 3大栄養素の量と質 高齢者の食事療法 食欲に対するアプローチ 糖尿病性腎症の食事療法
糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) GLP-1受容体作動薬 インスリン 糖尿病関連デジタルデバイス 骨粗鬆症治療薬 二次性高血圧 1型糖尿病のインスリンポンプとCGM

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料