菅野義彦先生のインタビュー連載『30年来の腎臓病食事療法を再考する【第3回】チーム医療における医師と管理栄養士の役割とは』を公開
※Shared Decision Making
協力:株式会社ヴァンティブ
連続3回!食事療法の専門家・菅野義彦先生のインタビュー連載が好評
年々、増加傾向にある慢性腎臓病。糖尿病はその代表的原因疾患であり、1998年以降、糖尿病性腎症が透析導入となる原因の第一位となっている。この状況を受けて開設した慢性腎臓病の特集コーナー(2024年6月開設)において、菅野義彦先生のインタビュー記事(集中連載第3回目)を新たに公開した。
東京医科大学病院 腎臓内科学分野 主任教授の菅野義彦先生は、日本臨床栄養学会理事長、日本透析医学会理事、日本病態栄養学会理事、公益社団法人日本透析医会 東京透析医会副会長を務めるほか、日本腎臓学会の食事療法のガイドライン作成委員であり、透析医学会で12年ぶりに改訂を予定している「透析患者の糖尿病治療ガイド2024」改訂ワーキングチームの一人でもある。
今回公開したのは、そんな腎臓病食事療法の専門家である菅野先生のインタビューをもとにした集中連載の第3回目。
多様化する治療や患者像に対して固定化した考え方・イメージを捨て、個人の生活や人生に寄り添った食事療法に取り組む大切さやエビデンスについてのことを述べた第1回『たんぱく質制限は、目の前の患者にとって本当に必要か』・第2回『エビデンスと患者の実態から考える保存期の食事療法』の記事は、菅野先生の率直な意見と軽妙な語り口そのままに新しい気づきを得られる内容で、大変好評を得ている。
集中連載第3回目『医療における医師と管理栄養士の役割とは』を公開
第3回目ではSDMの大切さ、そして食事療法におけるチーム医療についての考え方や、管理栄養士への期待についてを中心に語る。以下、冒頭部分を引用。
<<今回は、外来診療においてCKD患者さんの食事に関する支援をどのように進めればよいのかをお話しします。たんぱく質を制限する食事療法はQOLの低下を伴うため、適応を厳しく判断するべきということを、これまでの2回でお伝えしてきました。
そもそも腎臓病の食事療法は、いざ医師の側から勧めたいと思っても、どうも説得力がないのですよね。自覚症状がある心臓や腹部の疾患なら、ご本人も困っておられるから医師の提案を受け入れてもらいやすいのですが、CKDは基本的に症状がありません。ですから、まずはご本人の意思を尋ねることから始めます。例えば、80歳前後の患者さんには、前段としてこんなふうに伝えています。
「血清Cr値が1.5mg/dL程度なら何とか平均寿命ぐらいまでは大丈夫だけれども、140歳まで生きるつもりなら、ちゃんと腎臓のことを考えた方がいいです」>>
(続きは下記リンク先から、無料で閲覧できます)
●集中連載インタビュー
『30年来の腎臓病食事療法を再考する【第3回】チーム医療における医師と管理栄養士の役割とは』
東京医科大学病院 腎臓内科学分野 主任教授
菅野義彦 先生
<第3回内容>
- 患者さんの価値観によってアプローチは変わる
- チームリーダーは誰が適切か
- チーム医療の中での医師の役割
- 管理栄養士にも研修精度を
- 「透析は避けられる」は幻想
<菅野義彦 先生プロフィール>
1991年慶應義塾大学医学部卒業後、同大学院医学研究科、米国留学、埼玉社会保険病院腎センター、埼玉医科大学腎臓内科、慶應義塾大学医学部血液浄化・透析センターを経て、2013年4月東京医科大学病院腎臓内科主任教授に就任。2021年9月慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科修士課程修了。日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医。日本臨床栄養学会理事長、日本透析医学会理事、日本病態栄養学会理事、公益社団法人日本透析医会 東京透析医会副会長。著書に『栄養指導にいかす検査値の読みとりポイント:見方がわかれば味方になる!』(ニュートリションケア2020年春季増刊/メディカ出版)他。
腎臓病に関する資料が無料でダウンロード可能
本特集では、インタビュー記事の他、腎臓病の治療や診療支援に役立つ以下の資料が入手できるページも設置。無料でダウンロードできるので、ぜひ利用してほしい。
- 『かかりつけ医も取り組む腹膜透析診療 岡本 卓 先生(愛し野内科クリニック 院長)』
- 『かかりつけ医も取り組む腹膜透析診療 佐藤克哉 先生(猿払村国民健康保険病院 院長JSPD連携認定医)』
- 『腎不全 治療選択とその実際2023』
- 『腎臓病 あなたに合った治療法を選ぶために』
- 『あなたの腎臓を守るために』
- 『腎不全治療説明用下敷き(A3版)』
本特集コーナーは今後さらにコンテンツを充実させ、様々な情報を届ける予定である。
また、本特集は糖尿病リソースガイド内のコーナーだが、患者向けに糖尿病ネットワークでも腎臓病の特集コーナー『腎臓の健康道~つながって知る、人生100年のKidney Journey~』を設けており、引き続き医療者側と患者側の双方で腎臓病に対する知識の底上げができるよう図っていく。