糖尿病患者における血糖測定のいまとこれから ~SMBGの位置づけをふまえて~
現在、糖尿病患者が自身で血糖値を測定する方法としてSMBG(血糖自己測定)とCGM(持続血糖測定)があり、このうちCGMはisCGM(間歇スキャン式持続血糖測定)とrtCGM(リアルタイム持続血糖測定)の2つが臨床の場で使われています。
それぞれの特徴や使い分け、またSMBGの位置づけなどについて、西村理明先生に伺いました。
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東京慈恵会医科大学内科学講座
糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授
西村理明 先生
※この記事は「糖尿病リソースガイド」が制作し、株式会社三和化学研究所発行『Precious Voice no.4』に掲載されました。
Q. SMBGとCGMについて、特徴を教えてください。
A SMBGは指先などから血液を採取し、血糖値を測定する方法です。血糖値を簡便に、しかも正確に測定できる手段として、1980年代以降、非常に普及し、現在でも血糖値を測定する方法として最も大きなシェアを占めています。SMBGでわかるのは測定した時点の血糖値であり、また採血するため穿刺が必要です。
一方、CGMは腕などにセンサーを装着して、皮下組織間質液中のグルコース濃度を連続して測定する方法です。CGMで評価しているのは実際の血糖値ではありませんが、連続測定により血糖変動の傾向をとらえることができます。1999年に米国で最初のCGMが登場し、日本には2009年に導入されました。 しかし、普及が進んだのは2017年にisCGMであるFreeStyleリブレ®(アボットジャパン)が保険適用になってからです。その後、rtCGMであるガーディアン™コネクト(日本メドトロニック)やDexcom G4®、Dexcom G6®(テルモ)が使用可能となり、使い勝手もここ数年で格段に向上しました。
isCGMとrtCGMの最も大きな違いの1つは、データ読み込みの要・不要です。isCGMは患者さんがセンサーをスキャンして測定データを読み込む必要がありますが、rtCGMは自動送信のためその必要がなく、また低血糖や高血糖(一部の機器のみ)を予測するアラート機能もついています。