血糖自己測定(SMBG)の患者サポート ―SMBG継続の課題と看護師としてのかかわり方―
インスリンを使用している糖尿病患者の血糖マネジメントには、SMBG(Self Monitoring of Blood Glucose:血糖自己測定)の継続的な実施が欠かせません。しかしながら、患者にとってSMBGの継続が困難となってしまう要因はさまざまあり、そこに看護師によるサポートが果たす役割は少なくありません。
今回、大学病院、クリニックで日々糖尿病の治療支援に当たられている3名の看護師をお招きし、SMBGの継続に向けた患者サポートについてお話を伺いました。

中村 裕美 さん
順天堂大学医学部附属順天堂医院
日本糖尿病療養指導士
糖尿病看護認定看護師

野田頭 薫 さん
池袋めぐ内科クリニック
東京糖尿病療養指導士

内田 優菜 さん
池袋めぐ内科クリニック
東京糖尿病療養指導士
提供:株式会社三和化学研究所
◆SMBGの患者教育 導入と継続に向けて
Q. SMBGの導入時や使用中に患者さんへどのようなサポートをしていますか? また、サポートの際はどのようなことを意識されていますか?
野田頭 SMBGを使用したことのある患者さんの場合は、最初の問診でSMBGについてどう思っているのか詳しく聞きます。例えば「本当はやりたくない」など、SMBGに対してネガティブな気持ちになっている方もいらっしゃいます。そういうことがあれば、必ず記録に残して医師と共有するようにしています。
また導入の際も、診察をしてすぐにSMBGを始めるという方もいらっしゃるので、そういう方には受け入れのところから気を配ります。患者さんによっては悲しい気持ちになる方もいらっしゃいますので、寄り添ってお話を聞くようにしています。患者さんの気持ちをお話しいただくことで「でも、やらなきゃいけないですよね」という気持ちに患者さん自身が持っていけることもあります。
中村 当施設では、インスリン導入と同時にSMBGの話をするという場合がほとんどです。患者さんは、病院を受診したその日に「今日からインスリン導入しましょうね」と突然言われます。なので、看護師はまず一番大事なインスリン療法について必要性と手技を説明します。その後にSMBGの必要性と手技について説明をします。しかし、その時にインスリン療法に続けて説明をするのかは、その時の患者さんの様子から病態や血糖値の状況や症状、患者さんの理解度や受容、生活状況などをアセスメントした上で判断します。難しそうな場合は医師と相談し、SMBGについては後日改めてご説明することもあります。