糖尿病患者におけるアドバンス・ケア・プランニング(ACP) ~「どう生きたいか」から始まる糖尿病のACP~

2025.05.08
prev next

高齢多死社会が進むわが国で、人生の最終段階における医療やケアのあり方を考え共有する取り組みである「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」が注目されています。慢性疾患である糖尿病において、ACPをどのように理解し、実践につなげていけばよいのか。ACPに造詣の深い山﨑真裕先生と肥後直子先生に、お話を伺いました。

山﨑真裕 先生

京都第二赤十字病院
代謝内分泌内科 部長
山﨑真裕 先生

肥後直子 先生

京都府立医科大学附属病院
糖尿病看護認定看護師
肥後直子 先生

※この記事は「糖尿病リソースガイド」が制作し、株式会社三和化学研究所発行『Precious Voice no.8』に掲載されました。

Q. アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とはどのようなものか教えてください。

(敬称略)

肥後  厚生労働省はACPを「人生会議」と称し、「もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組」と定めています1)。自分がどのように生きどのように死んでいくか、例えばどこで死にたいか、誰と一緒にいたいか、心肺停止になったら蘇生処置を受けたいか等、どこまでを具体的に決めるかは人それぞれですが、全員が考えることを国として推奨しています。

山﨑  定義はその通りとして、今のACPは「急変時や終末期にどうするか」「病院に運ばれた時にどうするか」に集中しすぎている印象があります。個人的には、むしろ「それまでどう生きるか」の方が大切ではないかと思います。その人の価値観や人生観を大切にしながら、どう生きたいかを明らかにしていくことで、結局は死に方も決まっていくのだろうと考えています。

Q. 日本でACPが注目されるようになった背景を教えてください。

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病診療・療養指導に役立つ会員向けコンテンツ
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
=必須項目
半角英数記号8文字以上
当サイト利用規約

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

尿病関連腎臓病の概念と定義 病態多様性 低栄養とその対策
小児・思春期1型糖尿病 成人期を見据えた診療 看護師からの指導・支援 小児がんサバイバーの内分泌診療 女性の更年期障害とホルモン補充療法 男性更年期障害(LOH症候群)
神経障害 糖尿病性腎症 服薬指導-短時間で患者の心を掴みリスク回避 多職種連携による肥満治療 妊娠糖尿病 運動療法 進化する1型糖尿病診療 糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病患者の足をチーム医療で守る 外国人糖尿病患者診療
インクレチン(GLP-1・GIP/GLP-1)受容体作動薬 SGLT2阻害薬 NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療 骨粗鬆症 脂質異常症 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症
エネルギー設定の仕方 3大栄養素の量と質 高齢者の食事療法 食欲に対するアプローチ 糖尿病性腎症の食事療法
糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) GLP-1受容体作動薬 インスリン 糖尿病関連デジタルデバイス 骨粗鬆症治療薬 二次性高血圧 1型糖尿病のインスリンポンプとCGM

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料