第2回 CARDS

2021.03.15
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連載:STUDY 続 々・そこが知りたかった 糖尿病の大規模臨床試験
第2回 CARDS
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.252-255

2021年3・4号 目次

Colhoun, H. M., Betteridge, D. J. et al. : Primary prevention of cardiovascular disease with atorvastatin in type 2 diabetes in the Collaborative Atorvastatin Diabetes Study(CARDS) : multicentre randomised placebo-controlled trial.Lancet,364 : 685〜696, 2004.

公益財団法人日本生命済生会 日本生命病院 糖尿病・内分泌センター
住谷 哲 ● Sumitani, Satoru

はじめに

 糖尿病患者の動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)抑制のためには包括的な心血管リスクの減少が大切であることはいまさら説明の必要はないでしょう.筆者は,血糖管理(HbA1c のA),血圧管理(BP のB)および脂質管理(LDL-C のC)のABC が重要であると患者さんには説明することにしています.1998 年に発表されたUKPDS23では,LDL コレステロールが1 mmol/L(39 mg/dL)上昇すると冠動脈疾患発症リスクが1.57 倍増加することが明らかにされました.またASCVD 既往のない日本人糖尿病患者を対象としたJDCS でも同様の結果が報告されています.さらにスタチンによる心血管疾患予防効果を検討したHPS やASCOT-LLA のような大規模臨床試験で,ASCVD 既往のない糖尿病患者を対象とした事後解析において心血管疾患発症リスクがそれぞれ33%,16%抑制されることが報告されました.しかしこれらの事後解析の結果は仮説にとどまるため,2 型糖尿病患者におけるスタチン投与による心血管疾患一次予防効果を明らかにするために実施されたのが本試験です.

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