第3回 ASCEND

2021.05.15
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連載:STUDY 続々・そこが知りたかった 糖尿病の大規模臨床試験
第3回 ASCEND
Vol.38 No.3(2021年5・6月号)pp.375-378

2021年5・6月号 目次

公益財団法人日本生命済生会 日本生命病院 糖尿病・内分泌センター
住谷 哲 ● Sumitani, Satoru

はじめに

 心血管イベントの二次予防にアスピリンを投与することに疑問の余地はないと思います.種々の抗血小板薬が販売されていますが,最も安価でエビデンスの確立しているのがアスピリンであることも同様です.2009 年に報告されたAnti-Thrombotic Trialists’ Collaboration(ATTC)のメタ解析では,絶対リスク減少は二次予防患者に比べて低いものの,一次予防患者においてもアスピリンの有益性が報告されました1).しかしATTC のメタ解析に含まれた糖尿病患者はわずか4%であったために,糖尿病患者の一次予防におけるアスピリンの有用性については依然として不明のままでした.ATTC が報告された後に,糖尿病患者を対象とした2 つのRCT が報告されました(そのうちのひとつがわが国で実施されたJPAD 試験です).いずれの試験においてもアスピリンの有益性は証明されず,さらに重大な出血イベントに関しての詳細も明らかではありませんでした.

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