2020 年版「日本人の食事摂取基準」の 改定点のポイント―糖尿病を中心に

2021.01.15
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特別寄稿 2020年版「日本人の食事摂取基準」の改定点のポイント─糖尿病を中心に
Vol.38 No.1(2021年1・2月号)pp.12-15

2021年1・2号 目次

宇都宮 一典 Utsunomiya, Kazunori
東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター

はじめに

 「日本人の食事摂取基準」は,健康な個人および集団を対象として,国民の健康の保持・増進,生活習慣病の予防のために参照するエネルギーおよび栄養素の摂取量の基準を示すものである.2020 年1 月,最新版が公表された1).現在のわが国における栄養学的な問題をふまえ,高齢者の低栄養予防・フレ イル予防に重点を置くとともに,「生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連」の項目立てを新設した点が,改定の大きな特徴となっている.生活習慣病としては,高血圧,脂質異常症,糖尿病および慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の4 疾患が取り上げられている.摂取基準の立場上の制約もあり,仔細は各学会のガイドラインに課題としてゆだねられているが,ここでは糖尿病を中心に,そのエッセンスを紹介したい.

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