第53回 糖尿病の治療薬2020(後編)注射薬と特定医療保険材料について

2021.03.15
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連載:SERIES 糖尿病と保険診療
第 53回 糖尿病の治療薬2020(後編)注射薬と特定医療保険材料について
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.229-237

2021年3・4号 目次

東京慈恵会医科大学附属病院 医療保険指導室
中島 尚登 Nakajima, Hisato

 糖尿病患者に用いられる注射薬は,インスリン製剤またはglucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬であり,自己注射においては,血糖自己測定器や連続血糖測定器で血糖を測定し,注入器やポンプを用いて注射薬を投与する.自己注射に対する指導・管理は「C101 在宅自己注射指導管理料」で算定し,インスリン製剤およびGLP-1 受容体作動薬は製剤の薬価で,使用する注入器は「C151 注入器加算」で,注射針は「C153 注入器用注射針加算」で,また血糖自己測定やインスリン注入に関しては「C150 血糖自己測定器加算」「C152 間歇注入シリンジポンプ加算」および「C152-2 持続血糖測定器加算」で算定する.そして,そのほかに注射薬の投与に用いられる特定医療保険材料は所定点数に含まれ,用いる医療機器は医療機関などからの給付・貸与となり,注射薬に関わる算定はこのように複雑である.よって今回は,2020 年12 月適用の薬価基準1)を中心に,糖尿病が適応の注射薬と,自己注射に関わる特定医療保険材料について概説する.

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