尿酸は1 型糖尿病患者における腎臓機能低下,心血管イベント,および死亡率に対する独立した危険因子である

2020.01.15
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連載:OVERSEAS
尿 酸は1型糖尿病患者における腎臓機能低下,心血管イベント,および死亡率に対する独立した危険因子である
Vol.37 No.1(2020年1・2月号)pp.74-76

Pilemann-Lyberg, S., Hansen, T. W. et al. : Uric Acid Is an IndependentRisk Factor for Decline in Kidney Function, CardiovascularEvents, and Mortality in Patients With Type 1 Diabetes. DiabetesCare, 42(6) : 1088〜1094, 2019.
“Copyright © 2019 American Diabetes Association From Diabetes Care®, Vol. 42, 2019 ; 1088-1094 Reprinted with permission from The American Diabetes Association.”

小原 健司 Kohara, Kenji 金藤 秀明 Kaneto, Hideaki(訳と紹介)
川崎医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科

はじめに

 以前より,尿酸はさまざまなリスク予測因子としての役割をもつことが報告されている.尿酸の上昇は慢性腎臓病(CKD)の発症進展の独立した予測因子であることや,高血圧症患者において全死亡および心血管死のリスク因子であり,心不全患者においても重要なリスク因子であることが示唆されている.一方,尿酸高値と心血管死および全死亡のリスクが,腎機能や従来のリスク因子での調節後に関連がなくなるとの報告もある.また尿酸高値と心血管死の関連はU字型であり,尿酸値が低くても高くても心血管死のリスクが高くなるとも報告されている.

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