経口GLP-1製剤・オルホルグリプロン、2型糖尿病のHbA1cと体重を有意に改善 第3相試験結果・ADA2026で報告

2026.07.02
米イーライリリーは6月8日、成人2型糖尿病患者を対象とした経口GLP-1受容体作動薬・オルホルグリプロン(製品名:Foundayo)の3つの第3相臨床試験(ACHIEVE-2、ACHIEVE-3、ACHIEVE-5)の結果を発表した。各試験においてオルホルグリプロンは対照群と比較してHbA1cおよび体重の有意な改善を示した。本結果は第86回米国糖尿病学会(ADA)学術集会で報告されたほか、Lancet(ACHIEVE-2、ACHIEVE-3)およびJAMA(ACHIEVE-5)に掲載されている。また同社は、2026年第2四半期末までに米国食品医薬品局(FDA)への適応追加申請を予定している。

 オルホルグリプロン(製品名:Foundayo)は、食事や水分の摂取制限のない、1日1回投与の低分子経口GLP-1受容体作動薬。同剤は現在、「肥満症または体重関連の健康上の問題を有する過体重の成人を対象とした長期的な体重管理」を適応としてFDAより承認されている(本邦では未承認)。

 ACHIEVE-3試験では、オルホルグリプロンは主要評価項目およびすべての主要副次評価項目において経口セマグルチドを上回った。ACHIEVE-2およびACHIEVE-5試験では、オルホルグリプロンは主要評価項目および主要副次評価項目を達成し、それぞれダパグリフロジン、およびインスリングラルギンにプラセボを追加した場合と比較して、有意なHbA1c低下および体重減少を示した。

 イーライリリーはこれらの結果に基づき、優先審査バウチャーを利用して第2四半期末までに米国FDAに承認申請を行う予定。以下、各試験の詳細を記載する。

 ACHIEVE-3試験は、メトホルミンで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病の成人患者1,698例を対象に、米国、アルゼンチン、中国、日本、メキシコ、プエルトリコで実施された52週間の無作為化非盲検試験。患者はオルホルグリプロンの9mg群もしくは17.2mg群、または経口セマグルチドの7mg群もしくは14mg群に1対1対1対1の割合で割り付けられた。

 52週時におけるベースライン(平均8.3%)からのHbA1c低下量の平均は、経口セマグルチド7mg群の1.1%低下、同14mg群の1.4%低下に対し、オルホルグリプロン9mg群では1.9%低下、17.2mg群では2.2%低下であった。最高用量比較では、オルホルグリプロンは経口セマグルチドに対して57.1%の相対的なHbA1c低下量の増大を示した。また、HbA1c5.7%未満を達成した患者の割合は、経口セマグルチ14mg群の12.5%に対し、オルホルグリプロン17.2mg群では37.1%だった。ベースラインの体重(平均213.9ポンド;97.0kg)からの減少においても、経口セマグルチド7mg群で7.9ポンド(3.6kg、-3.7%)、同14mg群で11.0ポンド(5.0kg、-5.3%)の減少であったのに対し、オルホルグリプロン9mg群では14.6ポンド(6.6kg、-6.7%)、17.2mg群では19.7ポンド(8.9kg、-9.2%)の減少を示し、最高用量比較において73.6%の相対的な体重減少効果の増大が確認された。

 ACHIEVE-2試験は、メトホルミンによる背景治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者962例を対象とした40週間の無作為化実薬対照非盲検試験。患者はオルホルグリプロンの2.5mg、9mg、17.2mgのいずれか、またはダパグリフロジン10mgを1日1回投与する群に割り付けられた。

 40週時におけるベースライン(平均8.1%)からのHbA1c低下において、ダパグリフロジン群の平均0.8%に対し、オルホルグリプロン群は最大で平均1.7%の低下を示した。HbA1c6.5%以下を達成した患者の割合は、ダパグリフロジン群の21.6%に対し、最高用量のオルホルグリプロン群では最大68.6%に上った。体重減少についても、ダパグリフロジン群の平均6.0ポンド(2.7kg、-3.0%)減少に対し、オルホルグリプロン群では2.5mg群で平均7.1ポンド(3.2kg、-3.5%)、9mg群で12.8ポンド(5.8kg、-6.3%)、17.2mg群で15.0ポンド(6.8kg、-7.3%)の減少が認められた。

 ACHIEVE-5試験は、インスリングラルギン(メトホルミンやSGLT-2阻害薬の併用の有無を問わない)で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者546例を対象とした40週間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験。患者はオルホルグリプロンの2.5mg、9mg、17.2mgのいずれか、またはプラセボに1対1対1対1の割合で割り付けられた。

 ベースライン(平均8.5%)からの40週時のHbA1c低下量は、プラセボ群の平均0.8%低下に対し、オルホルグリプロン群では最大平均2.1%の低下を示し、プラセボ群と比較して有意な改善が認められた。HbA1c6.5%以下を達成した患者の割合は、プラセボ群の11.1%に対し、オルホルグリプロン9mg群では最大69.1%であった。体重変化に関しても、プラセボ群が平均1.1ポンド(0.5kg、0.6%)増加したのに対し、オルホルグリプロン群では2.5mg群で平均4.9ポンド(2.2kg、-2.7%)、9mg群で11.0ポンド(5.0kg、-5.8%)、17.2mg群で11.5ポンド(5.2kg、-6.1%)の減少を示した。

 これら3つの試験において、オルホルグリプロン投与群のすべての参加者は、オルホルグリプロン0.8mgの1日1回投与から試験を開始し、4週間隔で段階的に用量を引き上げ、各群に割り付けられた維持用量(2.5mg、9mg、または17.2mg)まで漸増した。また、これらすべての試験を通じて、オルホルグリプロンはnon-HDLコレステロール、HDLコレステロール、VLDLコレステロール、総コレステロール、収縮期血圧、トリグリセリドなどの主要な心血管リスク因子において、ベースラインから臨床的に意義のある改善を示した。

 投与中止率を含むオルホルグリプロンの全体的な安全性および忍容性プロファイルは、これまでの試験結果と一貫していた。3つの試験全体で最も多く報告された有害事象は、悪心、下痢、嘔吐、消化不良、食欲減退などの消化器系の事象であった。有害事象に起因する投与中止率は、ACHIEVE-3試験ではオルホルグリプロン9mg群で8.7%、17.2mg群で9.7%(経口セマグルチド群は4.5%および4.9%)、ACHIEVE-2試験ではオルホルグリプロン各用量群で9.2%から12.4%(ダパグリフロジン群は1.2%)、ACHIEVE-5試験ではオルホルグリプロン各用量群で3.6%から9.6%(プラセボ群は3.6%)であった。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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