過体重・肥満の1型糖尿病自己抗体陽性者、BMI正常化がステージ3への進行リスク低下と関連

2026.08.14
過体重または肥満を有する1型糖尿病の自己抗体陽性者において、BMIが正常化することは、ステージ3(臨床的1型糖尿病)への進行リスク低下と関連するとの研究結果が報告された。国際的な臨床試験ネットワーク「TrialNet」の観察研究によるもので、特に18歳未満の若年層でその傾向が顕著であったという。研究結果は2026年7月16日付けで「Diabetes Care」オンライン版に掲載された。

 過体重や肥満といったBMIの高値が、膵島自己免疫の進行やステージ3の1型糖尿病への進行リスクを増加させることが先行研究で示されている。しかし、過体重または肥満を有し発症リスクの高い個人において、BMIの正常化が進行リスクを低減させるかは十分に評価されていなかった。そこで米ベイラー医科大学の研究グループは、自己抗体陽性でベースライン時に過体重または肥満であった個人を対象に、BMI正常化とステージ3への進行リスクとの関連を検証した。

 追跡期間の中央値4.1年の間に、対象者の26.8%においてBMIが正常範囲に低下した。解析の結果、BMIが正常化した群では、過体重や肥満が持続した群と比較して、ステージ3の1型糖尿病への進行リスクが48.4%低下したことが示された(調整ハザード比[HR] 0.516、P<0.001)。ベースライン時の特性として、BMIが正常化した群は、過体重や肥満が持続した群に比べ年齢が有意に若く、BMIのzスコアも低かった。また、経口ブドウ糖負荷試験におけるインスリン感受性が高く、より良好な代謝プロファイルを示していた。

 年齢による層別解析を行ったところ、この進行リスクの低下は主に若年層において観察された。18歳未満の若年層ではBMIの正常化が有意なリスク低下と関連していた(HR 0.500、p=0.004)のに対し、18歳以上の成人では有意な関連は認められなかった(p=0.130)。さらに若年層の年齢と性別に関する詳細な解析では、12歳未満では男児において有意なリスク低下が認められたが(HR 0.272、p<0.001)、女児では認められなかった。一方で、12歳から18歳未満の思春期層では、女児においてのみ有意な関連が認められた(HR 0.232、p=0.043)。

 代謝指標を用いた探索的解析では、インスリン感受性やインスリン抵抗性の指標(Matsuda index、HOMA-IRなど)を調整モデルに追加すると、BMI正常化と進行リスク低下との関連が弱まる傾向がみられた。この結果は、BMI正常化に伴うインスリン感受性の改善やそれに伴うβ細胞への分泌要求の低下が、1型糖尿病への進行リスク低下に寄与している可能性を示唆している。

 本研究では、過体重や肥満を有する自己抗体陽性者において、BMIの正常化は主に若年層における臨床的1型糖尿病への進行リスク低下と関連していた。著者らは本研究結果について、肥満を標的とした介入が、発症リスクを有する小児等の若年集団における1型糖尿病の予防戦略の一部として有用である可能性を示唆するものであると結論付けている。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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