中心性肥満の評価、BMIによるCVDリスクを再分類

2026.09.22
心血管疾患(CVD)リスクの予測において、中心性肥満の評価指標であるウエスト周囲長(WC)やウエスト・ヒップ比(WHR)は、BMIに基づく肥満や過体重の判定結果とは異なる予後情報を提供する可能性が報告された。米ジョンズ・ホプキンス大学シッカローネ心血管疾患予防センターのZeina A. Dardari氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に8月11日付で掲載された。普通体重や過体重であってもWCやWHRが高値の場合、評価した多くのアウトカムのリスクが15~50%高いという。

 BMIは総体脂肪量の評価に頻用されているが、体組成を把握できず、体脂肪分布の違いも評価できない。中心性肥満ではCVDリスクが高いことが明らかにされており、体脂肪の分布を把握できないことは、BMIの限界と言える。一方、WCやWHRは中心性肥満のマーカーとして位置付けられており、これらによる肥満度の評価結果は、しばしばBMIと乖離する。このため、CVDリスクの予測という点でWCやWHRは、BMIと異なる情報を提供する可能性がある。

 以上を背景としてDardari氏らは、15件のコホート研究のデータを用いて、BMIによる体重分類をWCやWHRにより再分類するとともに、9項目のCVD関連アウトカム(心筋梗塞、脳卒中、心不全、心房細動、心血管疾患死亡、全死亡など)との関連を解析した。

 解析対象は25万9,388人で、このうち25万9,351人のWCデータ、21万8,984人のWHRデータを利用可能だった。BMIで普通体重と判定された群の5%がWC高値、18%がWHR高値であり、過体重と判定された群の39%がWC高値、40%がWHR高値だった。一方、肥満と判定された群の9%はWC低値、45%はWHR低値であった。

 追跡期間は中央値20.0年(95%信頼区間12.7~23.5年)だった。交絡因子(年齢、性別、人種/民族、喫煙・飲酒習慣、教育歴、血糖降下薬・降圧薬・脂質改善薬の服用など)を調整したところ、普通体重群および過体重でWC高値またはWHR高値の群は、多くのアウトカムのリスクが15~50%高かった。それに対して肥満群でWC低値の場合、全死亡を除くリスクは、普通体重かつWC低値の群と有意差がなく、さらに全死亡については肥満かつWC低値群のリスクが低かった。

 なお、肥満群においてWC高値またはWHR高値に関連する人口寄与リスク(PAF)は、アウトカムによって13~49%の範囲であり、とくにWC高値と心不全および心房細動のPAFが高かった。

 論文の筆頭著者であるDardari氏は、「CVD一次予防におけるリスク判定では、BMIの高低にかかわらず中心性肥満の評価を考慮することを推奨する」と述べている。

 なお、1人の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

[HealthDay News 2026年8月17日]

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