中心性肥満の評価、BMIによるCVDリスクを再分類

BMIは総体脂肪量の評価に頻用されているが、体組成を把握できず、体脂肪分布の違いも評価できない。中心性肥満ではCVDリスクが高いことが明らかにされており、体脂肪の分布を把握できないことは、BMIの限界と言える。一方、WCやWHRは中心性肥満のマーカーとして位置付けられており、これらによる肥満度の評価結果は、しばしばBMIと乖離する。このため、CVDリスクの予測という点でWCやWHRは、BMIと異なる情報を提供する可能性がある。
以上を背景としてDardari氏らは、15件のコホート研究のデータを用いて、BMIによる体重分類をWCやWHRにより再分類するとともに、9項目のCVD関連アウトカム(心筋梗塞、脳卒中、心不全、心房細動、心血管疾患死亡、全死亡など)との関連を解析した。
解析対象は25万9,388人で、このうち25万9,351人のWCデータ、21万8,984人のWHRデータを利用可能だった。BMIで普通体重と判定された群の5%がWC高値、18%がWHR高値であり、過体重と判定された群の39%がWC高値、40%がWHR高値だった。一方、肥満と判定された群の9%はWC低値、45%はWHR低値であった。
追跡期間は中央値20.0年(95%信頼区間12.7~23.5年)だった。交絡因子(年齢、性別、人種/民族、喫煙・飲酒習慣、教育歴、血糖降下薬・降圧薬・脂質改善薬の服用など)を調整したところ、普通体重群および過体重でWC高値またはWHR高値の群は、多くのアウトカムのリスクが15~50%高かった。それに対して肥満群でWC低値の場合、全死亡を除くリスクは、普通体重かつWC低値の群と有意差がなく、さらに全死亡については肥満かつWC低値群のリスクが低かった。
なお、肥満群においてWC高値またはWHR高値に関連する人口寄与リスク(PAF)は、アウトカムによって13~49%の範囲であり、とくにWC高値と心不全および心房細動のPAFが高かった。
論文の筆頭著者であるDardari氏は、「CVD一次予防におけるリスク判定では、BMIの高低にかかわらず中心性肥満の評価を考慮することを推奨する」と述べている。
なお、1人の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。
[HealthDay News 2026年8月17日]
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