手術前後で禁忌の糖尿病薬、休薬漏れ事例が複数報告 日本医療機能評価機構が注記喚起
2026.09.24
日本医療機能評価機構は9月15日、医療安全情報「2026年9月 No.238」を公開した。添付文書上、手術前後の患者に禁忌とされている糖尿病治療薬を休薬しなかった事例が報告されている。2020年1月1日から2026年7月31日にかけて11件の事例が報告されているといい、注意喚起を行っている。

今回報告された手術前後の患者に禁忌の糖尿病治療薬として、以下が挙げられている。
- SGLT2阻害薬:ジャディアンス錠、カナグル錠、スーグラ錠、デベルザ錠、フォシーガ錠
- ビグアナイド薬:メトグルコ錠、メトホルミン塩酸塩錠
- 配合薬(DPP-4阻害薬・ビグアナイド薬):エクメット配合錠
※上記以外にも手術前後の患者に禁忌の糖尿病治療薬がある。
同機構は、休薬漏れが発生した具体的な事例を2件紹介している。
- 事例1:バイアスピリン錠とスーグラ錠を内服している患者に、鼠径ヘルニア手術を行うことになった。外来担当医師は、バイアスピリン錠の休薬指示を出したが、スーグラ錠が手術前後の患者に禁忌であることを知らず、休薬指示を出さなかった。入院時に、病棟薬剤師は患者がスーグラ錠を内服していることに気付いた。医師に報告した結果、手術は延期となった。
- 事例2:患者に尿管結石破砕術を行うことになった。外来看護師は、患者から内服している薬剤があることを聞き取ったが、薬剤名を確認し忘れた。外来担当医師は、紹介状に内服薬の記載がなかったため、患者に確認しなかった。入院時、病棟看護師は患者がメトホルミン塩酸塩錠を内服していることに気付いた。医師に報告した結果、手術は延期となった。
事例が発生した医療機関では、以下の取り組みが行われたという。
- 糖尿病治療薬には手術前後の患者に禁忌の薬剤があることを周知する。
- 術前の外来で、患者に処方されている薬剤を把握する体制を整える。
本機構は、上記は一例であるとして、自施設に合った取り組みを検討するよう促している。
[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]






