GLP-1RA使用経験者、4割超が薬剤開始後に飲酒量が減少したと回答 米国オンライン調査

GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は、開発早期のランダム化比較試験などから、渇望や報酬処理に関わる脳の経路への作用を介して飲酒量を減らす可能性が示唆されている。しかし、GLP-1RAが飲酒に及ぼす影響について、患者の視点からの情報は系統的に収集されていなかった。そこで米ブラウン大学などの研究グループは、米国の成人を対象とした調査により、GLP-1RAの使用開始後に飲酒量の減少を報告した人の割合を推定するとともに、GLP-1RAが飲酒に影響する可能性についての一般の認知度を評価した。
調査は、確率抽出された米国の成人のパネル(RAND American Life Panel)を対象に、2026年3~4月にインターネットを用いて実施された。招待された2,857人のうち2,009人が回答した(回答率70.3%)。回答者には、減量や慢性疾患の治療のためにGLP-1RAを使用したことがあるかを尋ねた。また、米国国立アルコール乱用・依存症研究所の単一質問によるアルコールスクリーニングを用い、過去1年間に大量飲酒をした日が1日以上ある人を、不健康な飲酒の可能性がある人とした。GLP-1RAの使用経験がある人には、使用開始後3カ月間の飲酒量の変化を尋ねた。使用開始時に飲酒していなかった人は、飲酒量の変化の解析から除外した。
回答者2,009人(平均年齢48.8歳、女性59.6%)のうち、368人(16.0%)がGLP-1RAを現在使用している(10.4%)か、過去に使用していた(5.6%)。全体の37.3%が不健康な飲酒の可能性があると判定された。
GLP-1RAの使用経験があり、使用開始時に飲酒していた242人のうち、使用開始後3カ月間に飲酒量が減ったと回答したのは44.2%、変化なしは52.6%、増えたは3.3%であった。不健康な飲酒の可能性がある人(129人)に限ると、飲酒量が減ったと回答したのは54.1%であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、不健康な飲酒の可能性がある人は、飲酒量の減少を報告する可能性が高かった(オッズ比2.30、95%CI 1.20~4.42、P=0.01)。性別、年齢、収入、人種・民族などの人口統計学的因子は、飲酒量の減少の報告と関連していなかった。
一方、回答者全体のうち、GLP-1RAが飲酒の欲求を減らす可能性があることを聞いたことがある人は9.7%にとどまった。体重減少をもたらす可能性については79.3%、血糖管理を改善する可能性については45.7%が聞いたことがあると回答した。
著者らは、GLP-1RAと飲酒の関係について結論を得るには大規模な臨床試験が必要であるものの、GLP-1RAの使用者の多くが飲酒量の減少を報告したことは注目に値するとしている。一方、飲酒量は自己申告であり、使用開始後の変化を後ろ向きに尋ねたため、想起バイアスや社会的望ましさバイアスの可能性があることを本研究の限界として挙げている。




