糖尿病薬の腎保護効果はアルブミン尿の有無で異なる

GLP-1受容体作動薬やSGLT2-iはT2DM患者の腎機能低下を抑制することが、メタ解析の結果として示されている。ただし、それらの薬剤の腎保護効果は尿中アルブミン排泄が多いほど顕著であることを示唆する報告があり、アルブミン尿陰性の患者での有用性は明らかでない。とはいえ、アルブミン尿陰性の患者の腎機能に対するGLP-1受容体作動薬やSGLT2-iの腎保護効果を検証するための研究には膨大なリソースが必要と考えられ、実施にハードルが存在する。これを背景にTurchin氏らは、観察データを用いてランダム化比較試験を模倣するTTEによる検討を行った。
米国内の医療データベースから、中等度の心血管リスクがありeGFRが45 mL/分/1.73m2以上で、メトホルミン単剤療法を受けており、2014~2022年にGLP-1受容体作動薬、SGLT2-i、スルホニル尿素薬、DPP-4iのいずれかを二次治療薬として開始した患者7万5,455人を特定した。主な特徴は、女性48%、年齢は中央値60歳(四分位範囲51~68)、HbA1cは中央値7.8%(同7.3~8.5)、eGFRは中央値92 mL/分/1.73m2(77~102)であり、81.76%がアルブミン尿陰性(尿中アルブミン/クレアチニン比〔ACR〕30 mg/g未満)だった。腎機能の低下を、血清クレアチニン値の倍化またはeGFRの15 mL/分/1.73m2未満への進行と定義し、中央値32カ月(18~57)追跡した。
5年間の腎機能低下リスクは、アルブミン尿陰性の患者のうち、GLP-1受容体作動薬またはSGLT2-iが処方されていた群では2.4%(95%信頼区間2.1~2.7)、DPP-4iが処方されていた群では2.1%(同1.8~2.6)と推定された。アルブミン尿陽性の患者では、同順3.2%(2.3~4.1)、5.4%(4.2~6.7)と推定された。
DPP-4i群を基準とするGLP-1受容体作動薬/SGLT2-i群の腎機能低下のリスク比は、アルブミン尿陰性の患者では1.10(0.90~1.38)であり、統計学的に有意なリスク低下は認められなかった。それに対してアルブミン尿陽性の患者では0.60(0.42~0.82)であり、リスクが有意に低かった。
著者らは、「得られた結果は、腎機能低下のリスクを有するT2DM患者の治療方針を決定する際には、アルブミン尿の有無を考慮することの重要性を強調している」と述べている。
なお、1人の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。
[HealthDay News 2026年10月1日]
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