GLP-1受容体作動薬の使用者には爪の異常が多い

爪の異常に関しては、ボローニャ大学(イタリア)のBianca Maria Piraccini氏らが発表した。GLP-1受容体作動薬群の66%から何らかの爪の異常が報告され、対照群でのその割合は53%だった。爪の剥離は、GLP-1受容体作動薬群の39%、対照群の9%に認められた(オッズ比〔OR〕6.84)。そのほか、爪の変色も多く、GLP-1受容体作動薬群46%、対照群17%から報告された。
体重減少を報告した患者に解析対象を限定した場合にも、爪の異常の報告割合の群間差は有意であったことから、爪の異常の発生は体重の減少のみでは説明できない可能性が示唆された。ただし研究チームでは、この解析のみではGLP-1受容体作動薬が爪の変化を引き起こしたと判断することはできないとしている。実際、GLP-1受容体作動薬群の約半数は、治療開始前から爪のトラブルを経験していたことを報告した。また、皮膚疾患や栄養欠乏の影響を調整すると、一部の関連性は弱まった。それでも、調整後の爪の剥離や変色の頻度は、GLP-1受容体作動薬群で対照群の約2~3倍だった。
毛髪・頭皮の変化に関しては、フランス皮膚科学会のBruno Halioua氏らが発表した。GLP-1受容体作動薬群の50%、対照群の34%の患者から異常な脱毛が報告された(OR4.49)。毛髪のボリュームや密度の低下は、同順に42%、19%であり(OR3.23)、脱毛の新規発症は26%、12%(OR2.67)だった。このほかに、頭皮の紅斑もGLP-1受容体作動薬群で多く認められた(OR3.05)。
GLP-1受容体作動薬群において、脱毛のみが報告されるケースは少なく、多くの患者が紅斑、掻痒、鱗屑なども報告していた。これを基にHalioua氏は、「GLP-1受容体作動薬群で報告された頭皮の変化は、急速な体重減少に伴い一般的に生じる脱毛の範囲を超えており、炎症性の要因が関与している可能性が示唆される」と述べている。ただし同氏は、「これらはよく見られることであり、通常は良性の変化である。これらの症状を理由に、患者が自己判断でGLP-1受容体作動薬治療を中止すべきではない」と述べている。
両研究は横断研究であり、症状の評価は患者の自己申告に基づいている。そのため、これらの結果から、GLP-1受容体作動薬の使用と爪や毛髪・頭皮の変化との因果関係を確立することはできない。研究チームは今後、因果関係や可逆性の検討が可能な前向き研究を行う予定である。なお、本研究は、デュクレ皮膚科学研究所(フランス)のサポートにより実施された。
[HealthDay News 2026年10月7日]
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