新規グルカゴン受容体/GLP-1受容体デュアルアゴニスト・survodutide、第3相試験で日本人肥満症患者の有意な体重減少、内臓脂肪量・肝脂肪量の減少も

Survodutideは、GLP-1受容体とグルカゴン受容体に作用するデュアルアゴニスト。GLP-1受容体作動薬としての食欲低下作用に加え、グルカゴン受容体作動薬としての働きにより、肝臓に直接作用して内臓脂肪量や肝脂肪量の減少などが期待されている。
SYNCHRONIZE-JP試験は、日本人肥満症患者を対象に、survodutideの有効性および安全性を評価した第3相臨床試験。試験参加者は、survodutide 3.6mg投与群、6.0mg投与群、プラセボ投与群のいずれかに無作為に割り付けられた。主要評価項目は、投与76週時点における体重のベースラインからの変化率および5%以上の体重減少達成率であった。
有効性estimand解析において、投与76週時点における体重のベースラインからの変化率は、プラセボ群の1.6%減少に対し、survodutide 3.6mg投与群では12.5%、6.0mg投与群では13.1%減少し、両用量群ともプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した(p<0.0001)。また、投与76週時点で5%以上の体重減少を達成した試験参加者の割合は、プラセボ群の23.9%に対して、survodutide 3.6mg投与群で80.0%、6.0mg投与群で79.3%となり、両用量群ともプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した(p<0.0001)。
副次評価項目についても良好な結果が報告された。MRI評価を受けた部分集団において、投与76週時点の内臓脂肪量は、プラセボ群では2.3%増加したのに対し、survodutide 3.6mg投与群では27.9%、6.0mg投与群では25.0%減少し、両用量群ともプラセボ群と比較して名目上有意な改善を示した(nominal P<0.0001)。肝脂肪量については、プラセボ群で16.2%増加した一方、survodutide 3.6mg投与群で56.0%、6.0mg投与群で63.1%減少し、両用量群ともプラセボ群と比較して名目上有意な改善を示した(nominal P<0.0001)。
安全性に関して、本試験で認められた有害事象の発現率は、プラセボ群80.4%に対し、survodutide 3.6mg投与群で94.4%、6.0mg投与群で85.9%であった。Survodutide投与群で最も多く報告された有害事象は消化器系事象であり、その多くは軽度から中等度であった。主な有害事象として、悪心(3.6mg群:48.9%、6.0mg群:44.6%)、嘔吐(3.6mg群:17.8%、6.0mg群:21.7%)、下痢(3.6mg群:11.1%、6.0mg群:15.2%)が認められた。これらはGLP-1製剤に見られる既知の有害事象であり、本試験において新たな安全性シグナルは認められなかった。
SYNCHRONIZE-JP試験の治験調整医師を務めた千葉大学学長 横手幸太郎氏は、次のように述べている。
「日本人を含む東アジア人においては、遺伝的背景により肝臓に脂肪が蓄積しやすい体質の方が多いことが知られており、肝臓への脂肪蓄積はインスリン抵抗性と関連し、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病などの代謝性疾患のリスク上昇につながると考えられている。そのため、日本人の肥満症治療においては、単に体重を減少させるだけでなく、内臓脂肪の蓄積や脂肪肝を改善させることも一つの重要なアプローチとなる。今回のSYNCHRONIZE-JP試験では、日本人肥満症患者において有意な体重減少に加え、内臓脂肪量や肝脂肪量など、肥満症に伴う代謝異常に関連する重要な指標の改善が示された。日本人集団においてこれらの結果が得られたことは、日本人の肥満症およびそれに伴う代謝異常の改善に向けたsurvodutideの可能性を示すものと考える」



