SGLT2阻害薬使用患者でのケトアシドーシスリスク因子を特定

SGLT2-iの投与はケトアシドーシスのリスク上昇と関連することが知られているが、臨床における実態については不明点が少なくない。これを背景にKadesjö氏らは、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー各国における全国規模のレジストリデータを用いて、SGLT2-iを使用しているT2DM患者のケトアシドーシス発生率やリスク因子などを検討した。
解析には、デンマークとスウェーデンからは2013~2021年、ノルウェーからは2013~2022年のデータを用いた。T2DM患者28万2,282人(平均年齢63歳)、計32万2,597件の治療エピソード(女性36.1%)を対象とし、年齢、性別、出生地域、暦年、治療開始からの経過時間をマッチングさせた、ネスト型症例対照デザインによる解析を行った。
中央値1.3年(四分位範囲0.7~2.8)の追跡期間中に、1,452件のケトアシドーシスが記録されていた(1,000人年当たりの発生率2.43件)。ケトアシドーシスのリスクはSGLT2-i使用開始直後に最も高かったが、追跡期間全体を通して高い状態にあった。
強い関連が認められたリスク因子として、HbA1c高値(9.7%以上〔83 mmol/mol以上〕対6.9%以下〔52 mmol/mol以下〕でオッズ比〔OR〕15.37〔95%信頼区間11.50~20.53〕)、低栄養(OR 10.54〔7.32~15.18〕)、ケトアシドーシスの既往(OR 10.40〔7.09~15.24〕)、BMI低値(20未満対20~25未満でOR 9.98〔5.68~17.53〕)、および最近の低血糖(OR 5.22〔2.60~10.49〕)が挙げられた。一方、感染症は最も多く認められた誘発因子または併発イベントであり、対照群では6.1%、ケトアシドーシス群では31.8%に認められた(OR 7.60〔6.62~8.71〕)。
ケトアシドーシスと強い関連が認められた事象として、急性アルコール中毒、急性腎イベント、急性腹症、脳卒中、大手術などが挙げられた。ただし、一過性の曝露、特に軽症の病態については、対照群での登録が不十分だったため、関連が過大評価されている可能性がある。このほかに、探索的解析からは、観察された関連は、SGLT2-iが処方されている患者に特異的なものではなく、T2DM患者全般に共通するものであることが示唆された。
論文の上席著者である同研究所のPeter Ueda氏は、「本研究結果は、SGLT2-iの処方を避ける必要性を示すものではない。ケトアシドーシスのハイリスク患者を特定し、同薬をより安全に使用するための情報ととらえるべきである」と述べている。
なお、複数の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。
[HealthDay News 2026年9月17日]
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