サルコペニア肥満の日本版診断アルゴリズムが改訂 アジア版コンセンサスのアップデートを受け 肥満学会、サルコペニア・フレイル学会

日本サルコペニア肥満ワーキンググループ(JWGSO)は、日本肥満学会と日本サルコペニア・フレイル学会が合同で設立しているもので、2024年にサルコペニア肥満の診断アルゴリズムを策定している。今回JWGSOは、Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)2025コンセンサスアップデートにおいて、アジア集団におけるサルコペニア診断に関する新たな枠組みが示されたことを受け、診断アルゴリズムを改訂した。
今回の改訂における主な変更は3点。第1の変更点は、年齢制限の撤廃である。これまでの診断基準は、75歳以上のエビデンスが限られていたことを理由に「40歳以上75歳未満」を対象としていたが、この年齢制限が撤廃された。
第2の変更として、サルコペニアの診断基準から「5回椅子立ち上がりテスト」が削除された。改訂アルゴリズムでは、サルコペニアの診断には「筋力低下」と「筋肉量低下」の両方が必須となった。筋力低下の評価には握力を用い、AWGS2025に準拠したカットオフ値(50~64歳:男性34kg未満、女性20kg未満/65歳以上:男性28kg未満、女性18kg未満)を使用する。5回椅子立ち上がりテストなどの身体機能評価は、リスク層別化や介入効果のモニタリング、予後予測の指標としては引き続き有用とされるが、診断上の必須項目からは外れた。
第3の変更として、BMIで補正した四肢骨格筋量のカットオフ値が更新された。サルコペニア肥満は過剰な脂肪蓄積を背景として評価されるため、筋肉量の指標にはBMI補正四肢骨格筋量のみが採用された。二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)と生体電気インピーダンス法(BIA)のそれぞれに対し適用され、50~64歳と65歳以上の年齢階層別にカットオフ値が設定された。
一方で、肥満の評価については従来通り日本の診断基準(JASSO)を踏襲している。スクリーニングには腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)またはBMI(25kg/m²以上)を使用し、確定診断は内臓脂肪面積(100cm²以上)または体脂肪率(男性20%以上、女性30%以上)に基づき行われる。
改訂アルゴリズムは、日本のサルコペニア肥満の基準を、AWGS2025のサルコペニア基準に合わせつつ、日本特有の肥満評価を維持している。筋力低下、筋肉量低下、肥満の3つが併存する状態をステージⅠと定義する。これに代謝性疾患、身体機能障害、心血管疾患、呼吸器疾患などの合併症が加わった状態をステージⅡと定義する。



