GIP/GLP-1/グルカゴン受容体作動薬retatrutide、2型糖尿病合併肥満で最大20.8%の体重減少、HbA1cも改善 第3相試験結果 EASD2026で報告

2026.10.20
米イーライリリー・アンド・カンパニーは9月29日、GIP/GLP-1/グルカゴン受容体作動薬retatrutideの第3相試験・TRIUMPH-2の結果を発表した。Retatrutideは、2型糖尿病合併肥満・過体重患者において、最大20.8%の体重減少を示した。またHbA1cの改善も示し、最大40.0%の患者が5.7%未満を達成した。本結果は、第62回欧州糖尿病学会(EASD2026)において発表されたほか、Lancetに同時掲載された。

 Retatrutideは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、グルカゴンの3つの受容体を活性化するトリプルアゴニストとして開発中の週1回製剤。同剤は現在、肥満・過体重、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸、変形性膝関節症の疼痛、慢性腰痛、心血管・腎アウトカム、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患などを対象に、複数の第3相試験が進行している。

 TRIUMPH-2は、2型糖尿病かつ肥満または過体重の参加者を対象とした80週間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、肥満・2型糖尿病を対象とするマスター試験と、中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸を対象とするバスケット試験から構成される。参加者1,152例をretatrutide 4mg群、9mg群、12mg群、プラセボ群に1:1:1:1で無作為に割り付けた。Retatrutideは2mgから投与を開始し、4週ごとに段階的に増量して目標用量に到達させた。発表されたデータはいずれも有効性estimandに基づく。

 ベースライン時の平均体重は106.4kg、平均BMIは38.2kg/m²、平均HbA1cは7.7%であった。主要評価項目である80週時の体重変化率は、プラセボ群で平均−4.0%(−4.2kg)であったのに対し、9mg群で−19.1%(−20.6kg)、12mg群で−20.8%(−22.5kg)であった。主要な副次評価項目である4mg群の体重変化率は−12.7%(−13.5kg)であった。また、ベースラインのBMIが35以上の参加者では、12mg群の体重減少率は平均23.4%であった。試験終了時点で、12mg群の59.5%が肥満のBMI基準を満たさなくなった。

 副次評価項目のHbA1c変化量は、4mg群−1.4%、9mg群−1.6%、12mg群−1.5%、プラセボ群−0.2%であった。HbA1c 6.5%以下の達成割合は同順に73.1%、79.2%、79.0%、26.3%、HbA1c 5.7%未満の達成割合は28.4%、40.0%、39.3%、4.4%であった(5.7%未満の項目は第1種の過誤に対する多重性の調整なし)。

 心血管リスク因子についても改善が認められた。最高用量の12mg群では、トリグリセライドが平均39.5%、non-HDLコレステロールが19.6%、収縮期血圧が10.8mmHg、腹囲が16.9cm、高感度CRPが58.3%減少した。

 安全性については、retatrutide(4mg、9mg、12mg vs. プラセボ)で最も多く見られた有害事象は、下痢(27.4%、33.5%、33.6% vs. 13.2%)、悪心(13.7%、20.8%、28.0% vs. 8.0%)、便秘(14.0%、16.2%、16.8% vs. 9.4%)、食欲減退(5.8%、12.3%、17.1% vs. 4.5%)、嘔吐(5.5%、10.2%、15.7% vs. 4.2%)であった。異常感覚は4.5%、5.6%、7.3% vs. 0.7%、尿路感染症は3.8%、6.3%、8.0% vs. 6.6%であった。これらの事象は概ね軽度~中等度で、大部分は治療期間中に消失した。有害事象による投与中止率は、4mg群3.8%、9mg群11.6%、12mg群7.7%、プラセボ群4.9%であった。

 同社は、2027年第1四半期に米国食品医薬品局(FDA)へ生物学的製剤承認申請(BLA)を行う予定としている。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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