PMDAがGLP-1製剤の適正使用を呼びかけ 美容・痩身目的の使用でケトーシスによる救急搬送例など注意喚起

2026.11.02
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2026年10月30日、「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」No.18として、「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用のお願い」を公表した。美容・痩身(ダイエット)目的で使用された際の副作用報告が複数寄せられ、救急搬送された事例など重篤な症例もあることから、改めて注意を呼びかけている。

 本レターによると、GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1受容体作動薬等)については、一部の医療機関において2型糖尿病及び肥満症の治療目的以外の美容や痩身を目的に使用されている実態が確認されており、厚生労働省も2026年6月16日と10月14日に、これらの薬剤の適正使用について周知している。また、日本肥満学会も同月、「安全な減量に関するステートメント―インクレチン関連薬を用いた減量によるケトーシス関連事象の注意喚起―」を公表している。

 GLP-1受容体作動薬等は、低血糖、急性膵炎、悪心、嘔吐、下痢等の副作用が注意喚起されており、美容・痩身等の適応外で使用した場合にも、同様の健康被害が起きる可能性があるとしている。実際に、美容・痩身目的で使用された際の副作用報告が複数寄せられているといい、その中には救急搬送された事例など重篤な症例もあることから、PMDAは改めて以下の点に留意するよう求めている。

  • 美容・痩身(ダイエット)目的の適応外使用の安全性・有効性は確認されていない。各製剤の電子添文に基づき、効能・効果、用法・用量を遵守すること。
  • 過度な食事制限下でGLP-1受容体作動薬等を使用し、頻回の嘔吐により動けなくなって救急搬送され、ケトーシスと診断された報告が複数ある。
  • ケトーシス以外にも、悪心・嘔吐、低血糖、膵炎等の副作用報告が寄せられている。
  • 使用中、嘔吐、食事・水分が摂れない等の症状があるときは、直ちに投与を中止するとともに、医療機関を受診するよう患者に説明すること。

 本レターでは、美容・痩身目的で使用された際の副作用報告のうちの主な事象も報告されている。2004年4月~2026年5月の集計(医薬品副作用データベース2026年9月公表時点)では、消化器症状(嘔吐、悪心、腹痛、胃炎、胃腸障害、下痢、上腹部痛)が28件、ケトーシス(ケトーシス、ケトアシドーシス、飢餓性ケトアシドーシス)が17件、低血糖が14件、膵炎(急性膵炎、膵炎、閉塞性膵炎)が11件であった。なお、これらは製造販売業者や医療機関等からの報告を集計したものであり、副作用の発現頻度を示すものではないとしている。

 また、適応外の使用によりケトーシス関連事象が生じて救急搬送、救急外来を受診した症例として、いずれも体重管理を目的に使用していた20代女性の3例が紹介されている。このうち2例は、オンラインで薬剤を入手しており、うち1例は投与開始前に栄養指導を受けていなかった。3例とも、投与開始後に悪心や嘔吐が発現し、飢餓性ケトアシドーシスまたは飢餓性ケトーシスと診断されて入院した。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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