4.GLP-1受容体作動薬/インスリンとの合剤:2種類の製剤の特徴,使い分け
2021.11.15
特集■GLP-1受容体作動薬への期待:新規創薬からの更なる飛翔
─血糖値だけでない!その実力─
4.GLP-1受容体作動薬/インスリンとの合剤:2種類の製剤の特徴,使い分け
Vol.38 No.6(2021年11・12月号)pp.670-675
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4.GLP-1受容体作動薬/インスリンとの合剤:2種類の製剤の特徴,使い分け
Vol.38 No.6(2021年11・12月号)pp.670-675
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寺内康夫 Terauchi, Yasuo
横浜市立大学大学院医学研究科 分子内分泌・糖尿病内科学
はじめに
2型糖尿病治療の基本は食事療法および運動療法であり,これらで十分な血糖コントロールが得られない場合に薬物療法を考慮する.糖尿病治療薬として,以前より作用機序の異なるさまざまな血糖降下薬(経口薬および注射薬)が使用されてきたが,ここ10年で,インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬)やSGLT2阻害薬など,新たな作用機序をもつ治療薬が使用可能となり,個々の患者の病態に応じた治療が可能となった.しかし2018年度の調査で,インスリン製剤またはGLP-1受容体作動薬を使用している患者において,日本糖尿病学会の定める合併症予防のための目標値HbA1c 7.0%未満を達成している割合は約3割に過ぎないことが報告されている 1).また経口血糖降下薬で血糖コントロール不良な日本人患者に基礎インスリン製剤を使用した際,空腹時血糖(FPG)は目標値を達成できても,HbA1c 7.0%未満を達成できていない患者が35.6%存在する 2). 本稿では,持効型溶解インスリン製剤・GLP-1受容体作動薬配合薬登場の背景や両者を併用する際のメリット・懸念点,またこのカテゴリーの薬剤が適した患者像とその有効活用法,2つの製剤の特徴と使い分けについて紹介する.
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