2.血糖管理のデジタル化
2022.09.05
特集■糖尿病領域におけるデジタル診療の最先端
─情報通信技術は新たなる大海原の羅針盤たりうるか─
2.血糖管理のデジタル化
Vol.39 No.5(2022年9・10月号)pp.508-512
─情報通信技術は新たなる大海原の羅針盤たりうるか─
2.血糖管理のデジタル化
Vol.39 No.5(2022年9・10月号)pp.508-512

川村智行 Kawamura, Tomoyuki
大阪公立大学大学院医学研究科 発達小児医学教室
はじめに
近年,糖尿病の血糖管理のデジタル化が急速に進んでいる.本来,測定された血糖値は,数値の集まりなのでデジタル化しやすいものであり,これまでも血糖管理のアプリケーションが各種使われていた.血糖値・時間・治療内容といったデータをアプリ上でグラフ化したり,内服や食事,インスリン量やタイミングをメモすることで,自己管理ノートの代用をするというものが中心であった.そしてスマートフォン(スマホ)が普及するようになり,それらのデータをクラウド上に保存し,医療機関と共有することができるタイプのものが広がった.最近では,CGMやインスリンポンプのデータがクラウドで管理されるようになり,家族や医療機関と遠隔での連携が可能となった.本稿ではCGMのデータ管理を中心に,血糖管理におけるデジタル化の現状と今後の展望を示す.