2.2型糖尿病の発症予防 ─遺伝子情報の活用を通して

2022.11.01
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特集■新しい時代の糖尿病医療
─予防・治療・啓発の将来像─
2.2型糖尿病の発症予防 ─遺伝子情報の活用を通して
Vol.39 No.6(2022年11・12月号)pp.616-624

2022年11・12月号 目次

安田和基 Yasuda, Kazuki
杏林大学医学部 糖尿病・内分泌・代謝内科学教室

はじめに

 糖尿病は三大合併症だけでなく,動脈硬化性疾患,心血管合併症,さらにはがんや認知症のハイリスクでもある.一方で高血糖自体はほとんど無症状であるため,早期発見あるいは予防の重要性は大きい.
 「2型糖尿病の発症予防(一次予防)」には,「将来の発症ハイリスク群の抽出」と「効果的な介入(=先制医療)」の2点が重要で,現在までにさまざまな試みが行われている.本稿では近年の遺伝子解析の進歩に焦点を当て,遺伝子情報が2型糖尿病のハイリスク群の予測や生活習慣介入に有用か,という点を中心に,現状と展望を紹介したい.

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