1.1型糖尿病の発症予防 ─その動向と展望

2022.11.01
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特集■新しい時代の糖尿病医療
─予防・治療・啓発の将来像─
1.1型糖尿病の発症予防 ─その動向と展望
Vol.39 No.6(2022年11・12月号)pp.610-615

2022年11・12月号 目次

内田貴康*1, 2 Uchida, Takayasu
小林哲郎*1 Kobayashi, Tetsuro
*1 公益財団法人 冲中記念成人病研究所
*2 虎の門病院 内分泌代謝科(糖尿病・代謝部門)

はじめに

 一般的に1型糖尿病は環境因子と遺伝因子が関係し,発症進展すると考えられてきた.遺伝因子はヒト白血球抗原(HLA遺伝子),IFIHIをはじめ現在まで60以上の遺伝子座がassociation analysis,ゲノム関連解析(GWAS)など多くの手法により報告されてきた.一方,1型糖尿病の直接的原因に関しては,ながらく不明であったが,最近環境因子としてウイルス感染症と自己免疫,膵β細胞障害について知見が集積されてきた.これに伴い治療・予防についても,新たな展望が開かれた.本稿では,これらの進歩を中心として今後の治療もしくは予防について臨床的な方向性を中心に知見を紹介したい.

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