3-1.GLP-1受容体作動薬との合剤

2021.05.15
prev next
特集■インスリン:新たな百年紀へ─最近の製剤の進歩を含めて─
3.新たなインスリン製剤への変革
3-1.GLP-1受容体作動薬との合剤
Vol.38 No.3(2021年5・6月号)pp.296-302

2021年5・6月号 目次

弘世 貴久 Hirose, Takahisa
東邦大学医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野

はじめに

 1921 年に発見され,翌年ベッドサイドですぐに使用可能となったインスリン.遅れること約90 年,第2 の糖尿病治療注射薬としてGLP-1 受容体作動薬が上市される.注射薬としてひとくくりにはできるものの,インスリンは「ホルモン補充」,GLP-1 受容体作動薬は「ホルモン分泌刺激,抑制」としてはたらくまったく異なる薬剤である.この2 つの注射薬を2 型糖尿病患者でどのように使い分けていくのか? 実は思い返してみると,GLP-1 受容体作動薬発売直後はそういう観点ではあまりまじめに考えられてこなかったように思われる.インスリン治療のステップアップやステップダウンのなかでの役割ばかりが注目され,単独使用されることが決して多くなかったのではないだろうか? 米国および欧州糖尿病学会(ADA/EASD)より発表されている2 型糖尿病の注射療法のコンセンサスステートメント1)では2018 年以降,経口血糖降下薬多剤無効例に対する第一選択注射薬,すなわちファーストインジェクションは基礎インスリンに取って替わってGLP-1 受容体作動薬であることが示されている(図1).

このコンテンツは糖尿病リソースガイドの有料会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病・内分泌医療を中心に、新しい時代の臨床現場を支援する糖尿病・内分泌プラクティスWebの閲覧が可能
  • ・糖尿病プラクティス(2020~2022年・3年間分)の記事や、本サイトが厳選したスペシャルコンテンツが閲覧可能
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
  • ・その他、有料会員向けコンテンツ・サービスを企画中!乞うご期待ください

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~
妊婦の糖代謝異常(妊娠糖尿病を含む)の診断と治療 糖尿病を有する女性の計画妊娠と妊娠・分娩・授乳期の注意点 下垂体機能低下症、橋本病、バセドウ病を有する女性の妊娠・不妊治療
インスリン・GLP-1受容体作動薬配合注 GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド) CGMデータを活用したインスリン治療の最適化 1型糖尿病のインスリン治療 2型糖尿病のインスリン治療 最新インスリン注入デバイス(インスリンポンプなど)
肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬 肥満症患者の心理とスティグマ 肥満2型糖尿病を含めた代謝性疾患 肥満症治療の今後の展開
2型糖尿病の第1選択薬 肥満のある2型糖尿病の経口薬 高齢2型糖尿病の経口薬 心血管疾患のある2型糖尿病の経口薬

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料