3-2.超速効型インスリン
2021.05.15
特集■インスリン:新たな百年紀へ─最近の製剤の進歩を含めて─
3.新たなインスリン製剤への変革
3-2.超速効型インスリン
Vol.38 No.3(2021年5・6月号)pp.303-311
3.新たなインスリン製剤への変革
3-2.超速効型インスリン
Vol.38 No.3(2021年5・6月号)pp.303-311
三浦 順之助 Miura, Junnosuke
東京女子医科大学 糖尿病センター内科
はじめに
インスリン発見から1 世紀が経過し,これまで各時代の技術と必要性に応じてさまざまなインスリン製剤の開発がなされてきた.ヒトの内因性インスリン分泌の動態が研究され,基礎インスリンとしての中間型インスリンや食後の血糖変動に合わせるよう開発された速効型インスリンの組み合わせにより,強化インスリン療法が確立された1).その後,アナログインスリン製剤の開発が進み,基礎インスリンとして持効型溶解インスリン,追加インスリンとして超速効型インスリンが開発され,実生活に適応するインスリン療法が可能となってきた.近年,さらによりよい血糖コントロールとQOL を目指して,超速効型インスリンの効果をいっそう速めたインスリン製剤の開発が行われてきた.ここでは,超速効型インスリンの開発から最新の超速効型インスリン製剤について記載する.
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