1.最新の糖尿病網膜症治療─新たな分子標的薬の開発を含めて
2021.07.15
特集■糖尿病網膜症診療 Update
─最新の知見からチーム医療の現状まで─
1.最新の糖尿病網膜症治療─新たな分子標的薬の開発を含めて
Vol.38 No.4(2021年7・8月号)pp.406-410
─最新の知見からチーム医療の現状まで─
1.最新の糖尿病網膜症治療─新たな分子標的薬の開発を含めて
Vol.38 No.4(2021年7・8月号)pp.406-410
小沢 洋子 Ozawa, Yoko
聖路加国際大学/聖路加国際病院 眼科
はじめに
糖尿病網膜症(表)は,神経障害・腎症とともに糖尿病三大合併症のひとつである.線維血管膜の増殖を伴う増殖網膜症(proliferative diabetic retinopathy〔PDR〕)に対しては硝子体手術を行い,失明を予防することの重要性はいまでも変わりはない.さらに,最近では糖尿病黄斑浮腫に対する薬物治療が盛んに行われるようになった.これは視力改善を目標にできる治療であり,quality of life を形成するquality of visionの改善に役立つ.そして,いま,糖尿病に伴う網膜神経細胞の変性に対する治療の可能性が話題となり始めている.
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