5. 実臨床における糖尿病患者のもつスティグマ
2021.03.15
特集■糖尿病:社会的スティグマへのアドボカシー活動の現状―糖尿病とともに無理なく不利なく暮らせるために―
5. 実臨床における糖尿病患者のもつスティグマ
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.183-189
5. 実臨床における糖尿病患者のもつスティグマ
Vol.38 No.2(2021年3・4月号)pp.183-189

田中 永昭 Tanaka, Nagaaki
関西電力病院 糖尿病・内分泌代謝センター
はじめに
糖尿病患者のスティグマについては,日本糖尿病学会編・著「糖尿病治療ガイド2020-2021」にも取り上げられ,糖尿病治療目標達成のためには看過できない問題として挙げられている1).糖尿病患者は,糖尿病と診断された瞬間から一般社会より分断され,「糖尿病になったのは本人の自己管理ができていないせいだ」「食べ過ぎで節制ができないせいだ」などとレッテルを貼られ,本人の性格や能力を不当におとしめられる.生命保険や住宅ローン,就職や結婚に悪影響を及ぼすこともある.糖尿病患者の真の幸福を追求するうえでは,糖尿病スティグマを撲滅することに躊躇してはならない2).しかしながら,スティグマやアドボカシーに関して糖尿病治療の分野で十分な理解が深まっているとは言い切れず,これからの重要課題と思われる.ここでは,糖尿病診療に携わる医療従事者が強く認識しておくべきこととして,われわれ自身が糖尿病スティグマを患者に付与する要因になりうる可能性を指摘しておきたい.
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